寿春三叛

寿春三叛（じゅしゅんさんぱん）

寿春三叛、または淮南三叛とは、三国時代に魏の後期に起こった三つの反乱を指します。これらの反乱は、司馬氏が権力を掌握した結果として生じたもので、寿春地区の司令官が司馬氏に対抗するために起こしたものです。具体的には、王淩の乱（251年）、毌丘倹・文欽の乱（255年）、そして諸葛誕の乱（257年〜258年）に分けられます。これらの反乱はいずれも司馬氏によって鎮圧されました。

経過

王淩の乱

249年、司馬懿が高平陵の変を引き起こし、曹爽が滅ぼされると、司馬懿は魏の重要な権力者となりました。この時、寿春の王淩は太尉に昇進し、外甥の令狐愚と共に曹芳の未熟さを利用して政権を奪取しようと考えました。彼らは曹芳の廃位と楚王曹彪の擁立を目論みましたが、計画は未遂に終わりました。

251年、王淩は呉の軍事行動を受け、朝廷にその討伐を請願し、反乱の機会を狙いました。しかし、彼の計画は露見し、司馬懿が討伐に向かいました。王淩は降伏を余儀なくされ、その後自殺しました。これにより、王淩や令狐愚は、三族共々誅殺され、曹彪も亡命の道を選びました。

毌丘倹・文欽の乱

その後、司馬懿の死により、司馬師が権力を握りますが、254年には政権を打倒しようとする者たちが現れ、計画が露見して殺害されました。これが曹芳へ不安をもたらし、その結果、司馬師は曹芳を廃位し新たに曹髦を即位させました。この変化に対し、寿春に駐留していた毌丘倹と文欽は恐れを抱き、挙兵に至ります。

255年、両者は寿春で反乱を起こし、司馬師に対抗します。反乱軍は呉の支援を受けようとしましたが、司馬師が軍を率い、最終的には毌丘倹が敗れ、捕まります。毌丘倹は逃げようとするも、見つかり討たれてしまいました。文欽は逃亡し、呉に亡命する結果となります。

諸葛誕の乱

その後、司馬師が病死し、司馬昭が権力を握ります。征東大将軍の諸葛誕は、過去の反乱が続いたことから不安を抱え、さらに反抗の気配を見せます。彼はついに反旗を翻し、寿春にて挙兵します。この反乱を抑えるために司馬昭は26万人以上の軍を動員し、包囲攻撃を行いました。

諸葛誕は十分な援軍が得られない中で防戦を余儀なくされ、やがて彼の部下の蔣班と焦彝を斬殺し、状況は悪化します。最後には寿春も陥落し、諸葛誕は捕らえられるか、または討たれました。

影響

これら三つの反乱は、司馬氏にとって政権を強化する結果をもたらしました。これ以降、魏の皇帝を支持する勢力は消え、士大夫たちは次々と司馬氏に従うことになりました。258年には、反抗した曹髦が殺害され、265年に司馬炎が魏を簒奪し、西晋を樹立します。魏はこうして滅亡の道をたどることとなりました。

このように、寿春三叛は三国時代における権力争いの一面を強調し、結果として新たな時代の到来を告げるものでした。

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