小倉繁

小倉繁（おぐら しげる）

小倉繁は、1904年3月16日に栃木県宇都宮市で生まれた日本の俳優です。1958年5月29日に亡くなるまで、喜劇映画を中心に活躍し、「和製チャップリン」として多くの人々に親しまれました。本名は小倉繁。

来歴

宇都宮市で生まれた小倉繁は、劇団に入団し地方巡業を経験した後、1923年に国活に入社しました。1925年には松竹蒲田撮影所へ移籍し、当初は端役を演じていましたが、小津安二郎監督の『女房紛失』をきっかけに頭角を現し、短編喜劇映画の脇役として活躍するようになりました。

1929年、斎藤寅次郎監督の『モダン怪談100,000,000』で国定忠次の幽霊役を演じたことが転機となり、ナンセンス喜劇の代表的な俳優としての地位を確立しました。斎藤監督は「喜劇の神様」とも呼ばれ、城戸四郎が開拓したナンセンス喜劇を数多く演出していました。小倉繁は、その軽妙なドタバタ演技で人気を博し、斎藤監督の『子宝騒動』（1935年）などでは主演も務めました。

また、チャールズ・チャップリンを模したちょび髭がトレードマークとなり、「和製チャップリン」と呼ばれるようになりました。1932年には、『チャップリンよなぜ泣くか』という映画に主演しています。ナンセンス喜劇以外にも多くの作品に出演し、名バイプレーヤーとしてその才能を発揮しました。1933年1月には、逢初夢子、大日方伝らと共に準幹部に昇進しています。

1937年頃から約10年間、映画出演から遠ざかっていましたが、1948年頃に新東宝の映画に出演を再開しました。花菱アチャコなどが主演する喜劇映画で助演として活躍し、1957年には『ダイヤル110番』の第15話にゲスト出演し、唯一のテレビドラマ出演も果たしています。

1958年5月29日に死去。息子には、小津安二郎監督の『長屋紳士録』や『晩春』で子役として活躍した青木放屁がいます（青木放屁の異父兄は青木富夫）。

主な出演作品

裏切られ者（1926年、松竹蒲田）
若人の夢（1928年、松竹蒲田）
女房紛失（1928年、松竹蒲田）
モダン怪談100,000,000（1929年、松竹蒲田）
チャップリンよなぜ泣くか（1932年、松竹蒲田）
子宝騒動（1935年、松竹蒲田）
有りがたうさん（1936年、松竹大船）
煙突の見える場所（1953年、新東宝）
四谷怪談（1956年、新東宝）

外部リンク

日本映画データベース「小倉繁」

もう一度検索