小内巻込

小内巻込（コウチマキコミ）

小内巻込は、柔道の投げ技における横捨身技の一つであり、講道館や国際柔道連盟（IJF）で正式に認められている名称です。IJF略号はKUM。
別名として、捨身小内（ステミコウチ）、抱小内刈（ダキコウチガリ）、小内掛（コウチガケ）などの呼び名があります。

概要

この技は、相手に上体を密着させた状態から、小内刈のように相手の脚の内側を深く絡ませ、自ら体を捨てて倒れ込みながら相手を後ろに倒すという特徴があります。

右組の場合、取りは左手で受けの右袖を引きつけつつ、右腋で受けの右腿を挟みます。その体勢のまま、右脚で受けの右脚を刈りながら、受けの右袖と右脚を取りの体に巻き付けるようにして倒れ込み、肩で相手を押し倒します。

小内巻込には、腋で相手の腿や脚を挟まない形や、手で相手の脚を掴まない形も存在します。また、相手の腕を一本背負投のように抱えながら行うバリエーションもあります。

著名な試合での使用例として、リオデジャネイロオリンピック男子73kg級決勝で、大野将平選手がルスタム・オルジョフ選手に対し、この技で見事な一本勝ちを収め、金メダルを獲得したことが挙げられます。

しかし、小内巻込は、踏み込んだ際に小外刈、小外掛、大外刈、大外落といった他の足技に比べると、遊びが出来やすく、相手に反撃されるリスクも高まります。

2009年のルール改正により、帯より下を掴む行為が禁止されたため、脚を手で取る小内巻込は試合での使用が制限されることになりました。連続技や返し技として使うことは可能でしたが、審判の判断が難しいという問題がありました。その後、これらの使用も禁止されることとなりました。ただし、講道館審判規定で行われる試合においては、この制限は適用されません。

分類と名称

1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定時、講道館では新名称の候補として「抱小内刈」が挙がりましたが、足技の小内刈に含めるという判断がなされ、独立した技名としては認められませんでした。

1995年9月、千葉市で開催された国際柔道連盟（IJF）総会において、IJF教育委員会（佐藤宣践委員長）で検討されてきた「小内巻込」を含む「技名称」が決定されました。

2017年には、多様化する技術への対応のため、講道館技研究部で技名称の再検討が行われ、その結果、IJFに合わせる形でこの技を正式に認めることとなりました。

別名として「小内掛」がありますが、これは小内刈の小内掛と区別する必要があります。

脚注

内巻込 / Ko-uchi-makikomi - YouTube KODOKANチャンネル'>外部リンク

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