小出忍

小出忍の生涯とその業績

小出忍（こいで しのぶ、1914年 - 1991年）は、日本のホーリネス系教会における著名な牧師であり、特に戦時中の教会の苦難を乗り越えた実績で知られています。彼は、大阪市にてホーリネス教会の牧師である小出朋治の息子として生まれ、教育を受けた後に父の教えを受け継ぎながら信仰の道を歩みました。

生い立ちと教育

小出は1914年10月3日に生まれました。彼は上智大学で哲学を学ぶものの中退し、その後日本神学校に進学、さらにアメリカのボーンブレイ神学校でも学びました。これらの経験が、彼の信仰の深まりに大きく寄与したと考えられます。

1936年にはホーリネス分裂事件が発生し、彼の父・朋治は日本聖教会の牧師となりました。このころから、小出も教会の活動に参加し始めたことでしょう。特に1942年、父がホーリネス弾圧事件で逮捕され、獄死するという悲劇に見舞われます。この出来事は小出にとって非常に大きな影響を与えました。彼は父の意志を継ぎ、日本基督教団の牧師として活動することを決意します。

教会活動と指導

1949年、小出は車田秋次らが日本基督教団を離脱し、日本ホーリネス教団を設立した際には、日本基督教団に留まります。彼は「ホーリネス信仰」を広げることを使命とし、同時に小原十三司とともにホーリネスの群を指導しました。1964年から1984年にかけて、彼はホーリネスの群の委員長を務め、日本基督教団内の教団紛争や反万博闘争といった困難な時期においても、教会の指導者としての役割を果たしました。

しかし、彼は教団内の悪影響を懸念し、日本基督教団を離脱する決意をしました。1987年には、新たにホーリネスの群教会連合を設立し、その委員長に就任します。この動きは、教団の危機感を受けた彼の強い信念を示しています。

最後の日々と遺産

1991年、小出は亡くなります。彼の死後、教会連合は1992年に統合され、ウェスレアン・ホーリネス教会連合が設立されました。その後2002年には、ウェスレアン・ホーリネス教団として新たなスタートを切ります。小出の教えや行動は、今なお多くの信者たちに受け継がれています。

出版物

小出忍は自身の経験や信仰に基づいて著作も手掛けており、「ホーリネスの群略史」やアンドリュー・マーレーの「神を待ち望め」を訳すなどして、ホーリネス系の教義の普及にも尽力しました。彼の著書や翻訳は、後世の信者たちにとって重要な資料となっています。

まとめ

小出忍は、信仰に基づいた力強いリーダーシップを発揮した牧師であり、ホーリネス信仰の普及に尽力しました。彼の生涯と業績は、多くの人々に希望と指針を与えるものであったと言えるでしょう。

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