小早川景宗

小早川景宗

小早川景宗（こばやかわ かげむね）は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての武将で、竹原小早川氏の第2代当主です。初代当主・小早川政景の嫡男として生まれました。

生涯

正応2年（1289年）、父・政景から安芸国都宇竹原荘、阿波国板西下荘の一部、備前国裳懸荘の地頭職を譲り受けました。しかし、跡継ぎを巡る問題が発生し、異母姉である覚生尼（かくしょうに）から、景宗は政景の実子ではないという訴えが鎌倉幕府に起こされました。

永仁5年（1297年）、覚生尼の主張が認められ、都宇竹原荘は幕府に没収され、建長寺に寄進されるという事態に陥ります。景宗は覚生尼の主張は事実無根であるとして、都宇竹原荘の返還を求め続けました。その結果、元応2年（1320年）に幕府から本領安堵の回答を得るものの、都宇竹原荘が実際に返還されるまでには、20年以上の歳月を要しました。しかし、この問題は建長寺との都宇竹原荘の領有権を巡る争いへと発展していくことになります。

このような経緯から、景宗は元弘の乱において足利高氏（後の尊氏）の下にいち早く参陣し、鎌倉幕府軍と戦いました。景宗とその子・祐景（すけかげ）父子の尊氏への軍功は大きく、建武5年（1338年）には、本宗家である沼田小早川氏の所領であった沼田荘梨子羽郷の半分を与えられました。建武年間以降は足利将軍家に直属することとなり、これが竹原小早川氏の勢力拡大につながっていきました。

ちなみに、沼田小早川氏の貞平（さだひら）は、元弘の乱において最後まで鎌倉幕府の六波羅探題に従って行動したため、建武政権のもとで本領である沼田荘を没収されています。

参考文献

『小早川隆景のすべて』 新人物往来社編
今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。ASIN B000J78OVQ。ISBN 4404012403。 NCID BN00172373。OCLC 11260668。全国書誌番号:84023599。
下村効『日本中世の法と経済』 続群書類従完成会
竹貫元勝『日本禅宗史』 大蔵出版

関連史料

東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ一：小早川家文書之1、東京帝国大学、1927年。 NCID BN04860811。OCLC 835258028。全国書誌番号:73018529。 NDLJP:1908791
東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ二：小早川家文書之2、東京帝国大学、1927年。 NCID BN04860811。OCLC 834195954。全国書誌番号:73018529。 NDLJP:1908801

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