小早川盛景

小早川盛景：室町時代の武将、竹原小早川氏の苦悩と対立

小早川盛景は、室町時代に生きた武将であり、竹原小早川氏の第10代当主として知られています。初代当主である小早川弘景の嫡男として生まれ、激動の時代を駆け抜けました。

大内氏との関係強化と家督相続

盛景の父である弘景の時代から、竹原小早川氏は大内氏との関係を深めていきました。盛景自身も、大内氏の当主である大内盛見から偏諱を受け、「盛景」と名乗るようになります。応永34年（1427年）には、父・弘景から安芸国都宇・竹原荘・梨子羽郷南方、備前国裳懸荘、美作国打穴荘などの所領を譲り受け、竹原小早川氏の家督を相続しました。

宝徳2年（1450年）には、室町幕府の命により、伊予国守護・河野教通の河野通春討伐に加勢するなど、幕府の命にも従い活動しています。

沼田小早川家の家督問題と両家の対立

盛景の時代、本家である沼田小早川家では家督争いが起こっていました。この事態に対し、室町幕府第6代将軍・足利義教が調停に乗り出し、嘉吉元年（1441年）には、盛景が沼田小早川家の家督も相続するという決定を下します。しかし、この幕府の決定に対し、沼田小早川家が承服するはずもなく、これが原因の一つとなり、両小早川氏は互いに反目し、抗争を繰り返すようになってしまいました。

応仁元年（1467年）に勃発した応仁の乱においても、両小早川氏は激しく敵対し、争いを繰り広げました。両家の融和が図られるのは、盛景の孫にあたる弘平の代になってからのことでした。

小早川盛景の生涯は、室町時代の武将として、大内氏との関係を深め、家督を相続し、幕府の命に従い活動する一方で、沼田小早川家の家督問題に巻き込まれ、両家の対立を招くなど、苦難に満ちたものでした。しかし、彼の孫の代になってようやく両家の融和が図られ、小早川氏は新たな時代を迎えることになります。


参考文献
今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。
東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ一：小早川家文書之1、東京帝国大学、1927年。
東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ二：小早川家文書之2、東京帝国大学、1927年。

関連項目
小早川煕平
* 小早川弘景

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