小松健二

小松 健二（こまつ けんじ）氏は、1947年5月24日に高知県高知市で生まれました。プロ入り前は「小松 建二」として知られ、主に外野手としてプレーした元プロ野球選手です。

アマチュア時代

高知高校に進学後、小松氏は野球部でその才能を磨きました。高校2年時の1964年には、チームが夏の甲子園大会に出場し、決勝で早鞆高校を破って見事初優勝を飾りました。しかし、当時の小松氏はまだ控えの外野手であり、甲子園の舞台でプレーする機会はありませんでした。当時のチームには、後にチームのエースとなる光内数喜氏（芝工大を経て鐘淵化学へ進む）がおり、また1学年上には有藤通世氏（早稲田大学を経てロッテオリオンズで活躍）がいました。翌1965年、小松氏は主力選手として成長し、エースとなった光内氏とともにチームを牽引。自身は一塁手として五番打者を務め、夏の南四国大会決勝まで駒を進めました。しかし、この決勝では、利光高明氏や鵜飼克雄氏らを擁する徳島商業高校に完封負けを喫し、2年連続での甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後、小松氏は先輩である有藤氏を追うように近畿大学へ進学。関西六大学野球リーグでプレーしました。大学時代には、チームとして2度のリーグ優勝を経験し、大学野球での実績を積みました。

大学を卒業すると、小松氏は社会人野球の名門、大昭和製紙に入社しました。ここでは、後にプロで活躍する安田猛氏（東京ヤクルトスワローズ）がエースを務める強力なチームの一員となりました。1970年、第41回都市対抗野球大会に出場。チームは順調に勝ち進み、小松氏自身もそのバッティングで大きく貢献しました。特に準決勝の住友金属戦では、後に横浜ベイスターズで活躍する山中正竹氏から先制本塁打を放つと、さらに満塁本塁打も記録し、チームを決勝へと導く立役者となりました。引き分け再試合となった三菱重工神戸との決勝戦でも、試合の趨勢を決めるダメ押しとなる本塁打を放ち、大昭和製紙の優勝に大きく貢献しました。この大会では、安田氏や小田義人氏といった実力者とともにプレーし、小松氏自身もその活躍が認められ、大会の優秀選手賞を受賞。同年の社会人野球ベストナインにも外野手部門で選出されるなど、社会人野球界を代表する打者としての評価を確立しました。

プロ入り後

社会人での輝かしい実績が認められ、小松氏は1970年のプロ野球ドラフト会議において、阪急ブレーブスから1位指名を受け、プロ入りを果たしました。強肩強打の外野手として、プロでも即戦力として期待を寄せられました。

プロ1年目の1971年、小松氏は初めて先発出場を果たし、同年から2年連続でジュニアオールスターゲームにも選出されるなど、将来を嘱望されました。1972年には、左翼手や中堅手として11試合に先発起用される機会を得ました。また、1974年9月には、消化試合ではあったものの、四番打者としても1試合に出場するなど、その打撃力への期待は最後まで持ち続けられました。

しかし、プロの一軍では、期待された打撃が荒く、三振が多いという課題に苦しみ、なかなかレギュラーとして定着することはできませんでした。主に、右の代打や守備固めとして起用されることが多かったのが実情です。一方で、ウエスタン・リーグ（二軍）ではその打棒を発揮し、1972年には打点王を獲得。さらに1975年には本塁打王と打点王の二冠に輝くなど、二軍では格の違いを見せる活躍を見せました。

1976年のシーズンオフ、小松氏は大きな転機を迎えます。戸田善紀氏、大石弥太郎氏、森本潔氏とともに、稲葉光雄氏、島谷金二氏、大隅正人氏との交換トレードという大型トレードの一員として、中日ドラゴンズへ移籍することになりました。

中日ドラゴンズでは、1978年に自己最多となる53試合に出場し、68打席を記録しました。同年9月には、左翼手として5試合に先発出場するなど、一定の出場機会を得ました。

しかし、再び一軍でのレギュラー定着には至らず、1980年限りで現役生活にピリオドを打ちました。

引退後

現役を引退した翌年には、名古屋で飲食店を開きましたが、その後は都内で会社員として第二の人生を歩んだとされています。

プロ野球生活において、小松氏が背負った背番号は以下の通りです。

阪急ブレーブス時代：8 （1971年 - 1976年）
中日ドラゴンズ時代：36 （1977年 - 1980年）

社会人時代の輝かしい実績と、プロ入り後の二軍での圧倒的な成績は、そのポテンシャルの高さを物語っています。プロの一軍では本領を発揮しきれませんでしたが、ドラフト1位で入団し、10年間にわたりプロの世界でプレーを続けました。

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