小林武彦

小林 武彦

小林 武彦（こばやし たけひこ）は、1963年に神奈川県で生まれた日本の生物学者で、現在は東京大学定量生命科学研究所で教授として活躍しています。彼はまた、日本学術会議の会員であり、日本遺伝学会の元会長、さらに日本分子生物学会の元副理事長でもあります。

学歴と職歴

小林氏は1982年に神奈川県立外語短期大学付属高等学校を卒業後、九州大学理学部生物学科に進学し、1987年に卒業しました。その後、大学院に進学し、1992年に九州大学大学院医学系研究科博士課程を修了し、理学博士の学位を取得しました。博士課程修了後は、日本学術振興会の特別研究員として研究を継続し、1993年から1997年まで基礎生物学研究所の助手として勤務しました。すると、1994年にはロッシュ分子生物学研究所や1996年にはアメリカ国立衛生研究所に博士研究員として留学しました。

その後、2005年に基礎生物学研究所の助教授を経て、2006年に国立遺伝学研究所の教授に就任しました。2015年には東京大学分子細胞生物学研究所の教授となり、最終的に2018年には現在の東京大学定量生命科学研究所の教授に昇進しました。

受賞歴

小林氏はいくつかの重要な賞を受賞しています。2002年にはHFSP young investigators awardを受賞し、2004年には日本遺伝学会奨励賞を受けました。また、2012年には文部科学大臣表彰（科学技術分野研究部門）を受賞し、2013年には第29回井上学術賞を獲得しました。さらに、2016年には日本遺伝学会木原賞、2018年には遠州頌徳会遺伝学大賞奨励賞を受賞しました。最近では、2022年の新書大賞で『生物はなぜ死ぬのか』が第2位に選ばれています。

著作

小林武彦は多くの著書を執筆しており、以下のような代表的な作品があります：

• - 『寿命はなぜ決まっているのか - 長生き遺伝子のヒミツ』(岩波書店, 2016年)
• - 『DNAの98%は謎 - 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か』(講談社, 2017年)
• - 『生物はなぜ死ぬのか』(講談社, 2021年)
• - 『なぜヒトだけが老いるのか』(講談社, 2023年)

これらの著書らは、彼の研究成果を一般の読者にわかりやすく伝えるものとして高い評価を受けています。

編集と監修

また、彼はさまざまな書籍の編集や監修にも関わっており、後進の研究者や学生への影響力を持っています。特に、「遺伝子が語る生命38億年の謎」や、「岩波生物学辞典」など、広範囲にわたるテーマを扱った書籍を手掛けています。このように、小林武彦は生物学界において大きな足跡を残し続けています。彼の研究は、生物科学の発展に寄与し、多くの人々に影響を与えています。

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