小牧毅

小牧毅：騎手から調教師へ、波瀾万丈の競馬人生

小牧毅氏は、1971年4月13日、鹿児島県曽於郡有明町（現・志布志市）生まれの兵庫県競馬組合の元騎手、調教師です。1989年10月31日に騎手デビューを果たし、初騎乗で初勝利という華々しいスタートを切りました。10328戦1009勝という輝かしい戦績を残し、多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

騎手時代：兄との競演と苦悩

小牧氏は、兄である小牧太氏と共に曾和直榮厩舎に所属していました。しかし、有力馬は主に兄に回されることが多く、騎乗機会には恵まれませんでした。優れた騎乗技術を持ちながらも、曾和氏からの評価は低く、騎乗数は常に少なめでした。兄の移籍後も、曾和氏が岩田康誠氏を主戦騎手に据えたため、騎乗数はむしろ減少。その後、花村通春厩舎に移籍するも、再び曾和厩舎に戻ることとなりました。しかし、騎乗機会はますます減少し、2008年の姫路競馬開催では一度も騎乗がありませんでした。

こうした状況の中、小牧氏は調教師への転身を決意します。2008年7月には地方競馬全国協会の調教師一次試験に合格。同年9月には二次試験にも合格し、調教師免許を取得しました。騎手生活最後の騎乗は、2008年9月25日。メイショウオオマに騎乗し、勝利を収めました。

騎手時代には、1999年の播磨賞（ノースタイガー）、2000年の園田ジュニアカップ（ロードバクシン）で重賞勝利を飾るなど、数々の活躍を見せています。勝負服は、デビュー当初は胴青、赤山形、一本輪、そで赤を使用していましたが、後に兄と同じ胴緑赤山形一本輪そで赤に変更しました。2005年度版のKEIBA NOTEでは、「自厩舎の馬で他競馬場、JRAで騎乗できたこと」を2004年で一番嬉しかった出来事として挙げています。

調教師時代：新たな挑戦と成功

2008年9月29日、調教師免許を取得した小牧氏は、曾和直榮厩舎で調教師としてのキャリアをスタートさせました。その後、西脇トレーニングセンターで開業。2009年3月10日には、ベルトップスターで調教師として初勝利を挙げます。2013年10月9日には、ダイナミックグロウで姫山菊花賞を制し、重賞初制覇を達成。2015年8月14日には、同じダイナミックグロウで摂津盃を制しました。

小牧氏の調教師としての活躍は、彼の騎手時代からの経験と努力の結晶と言えるでしょう。 2010年には、バラエティ番組「新婚さんいらっしゃい！」に出演し、結婚のエピソードも話題となりました。現在も、後進の育成に力を注ぎながら、競馬界に貢献しています。

厩舎所属者

小牧厩舎には、長谷部駿弥騎手（2017年～）が所属しています。

小牧毅氏の歩みは、決して順風満帆ではありませんでしたが、その努力と情熱が、数々の成功と感動的なエピソードを生み出しました。彼の競馬人生は、多くの競馬ファンにとって、忘れられない物語として語り継がれていくことでしょう。

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