曾和直榮

曾和直榮：園田競馬場の伝説的調教師

曾和直榮氏は、1945年2月3日生まれの兵庫県競馬組合園田競馬場に所属していた元調教師です。2010年9月の引退までに8142戦1746勝（重賞66勝）という輝かしい成績を残しました。引退後は地方競馬の馬主として活躍されています。

数々の名馬を輩出した厩舎

曾和厩舎は、ロードバクシン（2001年兵庫三冠馬）をはじめ、シンドバッド、グレートステージ、ジョイーレなど、数々の競走馬を育て上げました。これらの馬たちは、曾和氏の卓越した調教師としての技量と、馬への深い愛情によって生み出された、まさに厩舎の誇りでした。

厳格な指導と騎手との関係

曾和氏は、騎手に対して非常に厳格な指導を行っていたことで知られています。特に、兵庫時代には小牧太騎手を始めとする所属騎手には、厳しい要求を突きつけました。下手な騎乗で敗れると馬の前で土下座をさせるなど、その厳しさは有名です。弟の小牧毅騎手も、なかなか厩舎の有力馬に乗る機会を得られなかったといいます。

ロードバクシンにおいては、岩田康誠騎手、川原正一騎手と乗り替わりが繰り返されました。このことは、曾和氏の勝利への執念と、結果にこだわる姿勢を示すものでした。小牧毅騎手は、曾和厩舎での騎乗機会が減少したため、一時的に他の厩舎に移籍する事態にもなりました。しかし、後に曾和厩舎へ戻っています。厩舎解散間際には、川原正一、永島太郎、松本幸祐騎手が所属していました。

川原正一騎手を笠松競馬場から受け入れた際には、騎手会の内規にある1年間の厩務員生活を約半年で短縮させ、騎乗再開を実現させたのも曾和氏の尽力によるものです。このエピソードは、曾和氏の決断力と人脈の広さを示しています。

中央競馬との太いパイプ

曾和氏は、中央競馬（JRA）の調教師と太いパイプを持っていました。JRA未勝利馬を移籍させて数戦走らせ、賞金を積み増してからJRAに送り返すという手法も用いていました。特に、伊藤雄二厩舎所属の競走馬との交流が多かったと言われています。

地方競馬への貢献

曾和氏は、多くの有力馬を抱えながらも、アラブ時代と比較して他場遠征をほとんど行いませんでした。この姿勢は疑問視されることもありましたが、確実に賞金を稼ぐという点においては、馬主のことを第一に考える調教師として高く評価されていました。

引退後

2010年9月に調教師を引退した後も、地方競馬の馬主として活躍を続けています。園田競馬場の近くには、曾和氏の長男が経営する「そわ針灸接骨院」があります。

曾和直榮氏は、厳格な指導と確かな実績で、園田競馬場、ひいては地方競馬全体に大きな足跡を残した伝説的な調教師と言えるでしょう。その功績は、後世の調教師たちに長く語り継がれていくことでしょう。

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