小田 (つくば市)

小田（おだ）

茨城県つくば市北部に位置する小田地区は、その歴史と豊かな自然が魅力の地域です。郵便番号は300-4223。

地理

小田地区は、つくば市の北部に位置し、筑波地区に属しています。東は土浦市、西は北太田・君島、南は大杉・玉取、北は北条・小和田・山口と隣接しています。

河川

地区内には、以下の河川が流れています。

桜川
八幡川

山

地区内には、以下の山があります。

宝篋山（標高461m）：山頂付近には斑状花崗岩が分布しています。
前山（標高103.2m）：中粒花崗岩を産出し、小田地区の石造物に使用されたと考えられています。

歴史

中世

小田の地名は、鎌倉時代から確認されています。常陸国筑波郡に属し、中世を通じて小田氏15代の拠点となりました。南北朝時代以降、小田氏の動向とともに史料に頻繁に登場しますが、南北朝の争乱により経済基盤が動揺し、佐竹氏の守護職が与えられるなど、政治的にも弱体化しました。戦国時代には、小田氏の攻防戦に関する記述が多く見られます。1569年（永禄12年）、小田氏治が手這坂の戦いで佐竹氏に大敗し、小田城は佐竹氏の支配下に入りました。

近世

江戸時代から1889年（明治22年）まで、小田村と呼ばれていました。当初は佐竹氏領でしたが、後に幕府領、近江高島藩領、旗本横山氏の知行地を経て、1698年（元禄11年）からは土浦藩領となりました。小田城は佐竹氏の国替え後に破却され、濠は水田となり、城跡の一部には陣屋が築かれました。1803年（享和3年）には桜川に小田河岸が設けられ、土浦へ年貢や農作物が運ばれました。また、曹洞宗の竜勝寺をはじめ、真言宗の長久寺・延寿院、浄土宗の解脱寺、牛頭天王宮、天満天神宮などの寺社が建立されました。文化面では、石門心学が普及し、1794年（寛政6年）には心学講舎である尽心舎が設立されました。小田村出身の農政学者、長島尉信は農村改革と検地・測量に貢献しました。

近代

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行に伴い、小田村、北太田村、小和田村、山口村、平沢村、下大島村、大形村が合併し、筑波郡小田村が発足しました。旧村名は大字として継承されました。1955年（昭和30年）2月1日、小田村は筑波町の一部となり、大字も同町に継承されました。1918年（大正7年）には、国鉄常磐線土浦駅と水戸線岩瀬駅を結ぶ筑波鉄道が開通し、常陸小田駅が設置されました。

現代

1987年（昭和62年）3月31日、筑波鉄道が廃線となり、常陸小田駅も廃止されました。現在、筑波鉄道跡は茨城県道505号桜川土浦潮来自転車道線（つくばりんりんロード）として利用されています。1988年（昭和63年）1月31日、つくば市と筑波町が合併し、つくば市大字小田となりました。つくば市は、発掘調査の結果をもとに、中世の小田城を再現した歴史広場を整備しました。2016年（平成28年）9月9日、筑波山地域がジオパークに認定され、小田地区もその一部となっています。

世帯数と人口

2017年（平成29年）8月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：データなし
人口：データなし

交通

路線バス

一般路線バス：（バス停名は太字で表記）
コミュニティバス：（バス停名は太字で表記）

道路

国道125号
茨城県道53号つくば千代田線
茨城県道505号桜川土浦潮来自転車道線（つくばりんりんロード）

施設

小田保育所
小田児童館
つくば小田郵便局
小田城跡歴史ひろば案内所

史跡

小田城跡

鎌倉時代から戦国時代にかけて小田氏の居城であった小田城の跡です。

国指定史跡

延寿院

寛永2年（1625年）に開山された薬師堂。本尊の薬師如来は室町時代の作で、天文7年（1538年）造立の五輪塔は県指定文化財となっています。明治時代には小田村の役場として使用されていました。

極楽寺跡

創建は1206-1207年以前とされ、1252年には奈良西大寺の僧忍性が訪れ、律宗を広めた関東真言律宗の中心地として栄えました。石造地蔵菩薩立像や石造五輪塔が残っています。

磨崖不動明王立像

12世紀前半に作られた高浮彫の像で、市指定文化財です。

薬師如来坐像

室町時代に制作された壇像風素木造の仏像で、市指定文化財です。

解脱寺

応永5年（1398年）創立の浄土宗の寺院。本尊の阿弥陀如来立像は室町時代の作で、市指定文化財です。

長久寺

長禄3年（1459年）に創立された真言宗の寺院。両界曼荼羅図、薬師三尊十二神将像、五大明王像などの密教絵画が所蔵されており、石造灯籠は県指定文化財です。

龍勝寺

佐竹氏家臣の梶原昌景が再建した曹洞宗の寺院。山門は文化13年（1803年）建立。小田氏8代孝朝の墓と伝えられる五輪塔があります。龍虎図、鷹図、達磨図、十八羅漢図が市指定文化財です。

八幡神社

万治3年（1660年）に創建された八幡宮で、祭神は応神天皇です。

天満神社

祭神は菅原道真公です。

八坂神社

慶安4年(1651)の創建。現在の社殿は享保10年(1725)に再建されたものです。

その他

団子石：地蔵像が彫られた丸い石。
後生車：死者への供養のための石。
大師堂：前山中腹にある石仏群。
三村山不殺生界碑：1253年建立の結界石。
宝篋印塔：宝篋山山頂にある石塔で、県指定文化財。

脚注

データはありません。

関連項目

宝篋山
小田城
小田氏（常陸小田氏）
小田村

外部リンク

* つくば市 | 郷土の歴史

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