小田井縣神社

小田井縣神社（おだいあがたじんじゃ）

兵庫県豊岡市にある小田井縣神社は、古くから地域の人々に崇敬されてきた神社です。但馬五社の一つに数えられ、毎年8月に行われる「豊岡柳祭り」は、豊岡市街地における最大のお祭りとして多くの人々で賑わいます。

祭神

主祭神は国作大己貴命（クニツクリオオナムチノミコト）です。

『国司文書・但馬神社系譜伝』によれば、

上座：国作大己貴命
中座：天照国照彦天火明命（アマテルクニテルヒコアメノホアカリノミコト）
下座：海童神（ワタツミノカミ）

の三座が祀られています。

歴史

神社の創建は非常に古く、『国史文書・但馬故事記』や『国史文書・但馬神社系譜伝記』には、以下のような記述が残されています。

天火明命がこの地を訪れ、清明宮（スガノミヤ）に滞在した後、豊岡原で御田（オンデン）を開いた。
垂井天物部命（タルイアメノモノベノミコト）に命じて真名井を掘らせ、御田に水を引いた。
この真名井を御田井（オダイ）と呼び、後に小田井と改められた。
神武天皇3年、国作大己貴命が黄沼前（キノサキ）の丘に鎮座された。
同年、天火明命も同じく黄沼前の丘に鎮座し、帆前斎主命（ホマエイツキヌシノミコト）が御食（ミケツ）の儀を司った。
神功皇后摂政3年、征韓の功により社殿が造営され、幣帛（ヘイハク）が納められた。
黄沼前県主の武身主命（タケミヌシノミコト）が幣帛使となり、征韓の際に斎き祀った大海童神（底津海童神、中津海童神、表津海童神の三神）を下座に配祀した。
天武天皇の時代には、大旱（ダイカン）の際に雨乞いの祈りが捧げられ、矛立神事・水戸上神事が行われた。これが後の『矛立神事』『河内神事』の起源とされている。

沿革

小田井縣神社は、その長い歴史の中で、以下のような変遷をたどってきました。

承和9年（842年）: 官社となる
仁寿元年（851年）: 正六位に叙せられる
貞観10年（868年）: 従五位上に昇進する
延喜式神名帳（905年）: 式内社に列せられる
元弘3年（1333年）: 正一位に叙せられる
天正3年（1575年）: 野田合戦で焼失する
天正年間（1573年 - 1592年）: 豊臣秀吉が陣営を置き、神領が没収される
貞享年間（1684年 - 1687年）: 社殿が再興される
元文年間（1736年 - 1740年）: 造営が行われる
明治6年（1873年）: 県社に列せられる
昭和6年（1931年）: 円山川治水工事のため現在地に移転する

摂末社

境内には複数の摂末社が祀られています。

祭事

毎年8月1日、2日には「豊岡柳祭り」が開催され、多くの人々で賑わいます。

現地情報

交通アクセス

徒歩: 豊岡駅（JR西日本山陰本線）から東北東へ約1400メートル、コウノトリの郷駅（京都丹後鉄道宮豊線）より西南西へ約1500メートル。
車: 豊岡市街地から国道312号線を円山川沿いに北上、「堀川橋」信号の道路西側下。駐車場はありません。

外部リンク

小田井縣神社
小田井縣神社（兵庫県神社庁）

小田井縣神社は、豊かな歴史と地域の人々の信仰が息づく神社です。豊岡を訪れた際には、ぜひ参拝してみてはいかがでしょうか。

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