小笠原信貴

小笠原信貴（おがさわら のぶたか）

小笠原信貴は、戦国時代に活躍した武将です。信濃国松尾城を領していた松尾小笠原氏の出身で、父は小笠原貞忠です。貞忠は、本家の府中小笠原家当主である小笠原長棟や小笠原長時と対立し、甲斐国に逃れて武田信玄に臣従しました。

信貴も父と同様に武田氏に仕え、天文23年（1554年）の武田氏による信濃侵攻では、信濃先方衆の一人として活躍しました。この際、かつて父が領していた松尾城を回復し、府中小笠原家の小笠原信定が守る伊那郡鈴岡城を攻めました。これらの戦功により、武田氏の信濃支配に大きく貢献したと考えられます。

武将としての活動の傍ら、信貴は寺院の復興や創建にも力を注ぎました。天文18年（1549年）には、室町時代後半から衰退していた開善寺を復興させ、寺の再興に尽力しました。さらに、伊那郡には龍門寺を創建し、自らもこの寺に葬られました。信貴は、武将としてだけでなく、文化的な側面においても地域に貢献した人物であったと言えるでしょう。

小笠原信貴の主な活動

武田氏への臣従: 父の貞忠と共に武田信玄に仕え、その家臣として活躍しました。
信濃侵攻への参加: 武田氏の信濃侵攻で先方衆として戦い、松尾城を回復しました。
鈴岡城攻撃: 府中小笠原氏の小笠原信定が守る鈴岡城を攻めました。
開善寺の復興: 衰退していた開善寺を復興させました。
龍門寺の創建: 伊那郡に龍門寺を創建し、自らも同地に葬られました。

参考文献

『長野県史 通史編 第3巻 中世2』
「寛政重修諸家譜 巻第195」
今井尭「小笠原系図」『日本史総覧』 3（中世 2）、新人物往来社、1984年。 NCID BN00172373。

もう一度検索