小笠原信定

小笠原信定（おがさわら のぶさだ）

小笠原信定は、永正18年（1521年）に生まれ、永禄12年1月6日（1569年2月1日）に没した、戦国時代の信濃国の武将です。府中小笠原家の一族であり、小笠原長棟の次男として生まれました。通称は孫次郎、民部大輔を名乗りました。母は浦野氏です。

生涯

信定は、分家である松尾小笠原家に対抗するため、父と兄によって鈴岡小笠原家を再興するべく派遣され、鈴岡城主となりました。その後、松尾城に移っています。兄の小笠原長時が塩尻峠の戦いで武田晴信に敗北した後も、信定は伊那地方を拠点に抵抗を続けましたが、天文23年（1554年）に武田氏の伊那侵攻によって敗北し、地元での勢力を失いました。

拠り所を失った信定は、兄と共に東海道を上洛し、当時畿内方面で勢力の大きかった三好氏を頼って客将となり、摂津芥川城に滞在しました。三好家は小笠原一族の支流とされています。永禄11年（1568年）、将軍足利義昭を奉じた織田信長によって芥川城を落城させられました。

永禄12年（1569年）、前将軍足利義栄を擁していた三好三人衆（三好長逸・三好宗渭・石成友通）らと共に、京の六条本圀寺に立て籠もった義昭を襲撃しました（本圀寺の変）。しかし、義昭を討ち取ることは叶わず、将軍の急を聞きつけて救援に駆けつけた細川藤孝、北河内国の三好義継、摂津国の池田勝正・伊丹親興らと三人衆側軍は京都の桂川で戦闘となり、信定はここで討ち死にしました。

信定の墓所は山城国成恩寺にあります。子である小笠原長継は、後に小笠原貞慶・秀政父子に仕えました。

参考文献

『戦国人名辞典』吉川弘文館、2006年
「寛政重修諸家譜 巻第188」

関連項目

長坂氏
小笠原氏

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