小笠原定基

小笠原定基

小笠原定基は、戦国時代の武将であり、信濃国小笠原氏の分家である松尾小笠原家の当主でした。松尾城を拠点としていました。

鈴岡小笠原家との対立

定基は、家伝の糾法に精通していた鈴岡小笠原家の小笠原政秀から教えを受けていました。しかし、明応2年（1493年）1月4日、定基は政秀を年頭の祝賀と称して松尾城に誘い出し、帰路を襲撃して暗殺しました。この事件により、鈴岡小笠原家は滅亡し、その遺族は府中小笠原家の小笠原長朝を頼ることになりました。

府中小笠原家との戦い

翌明応3年（1494年）1月13日、定基は松尾城外の毛賀沢で長朝と戦い、これを撃退しました。その後、文亀元年（1501年）には、周防国に亡命中であった先代将軍足利義稙から書を贈られています。

三河国への出兵

府中小笠原家の小笠原貞朝が、11代将軍足利義澄方の尾張国守護斯波義寛と結び、義稙方の今川氏親を攻めたことから、永正3年（1506年）、定基は氏親や伊勢宗瑞の要請に応じて三河国に出兵しました。この出兵は、当時の勢力争いに定基も巻き込まれていたことを示しています。

死去とその後

永正8年（1511年）、定基は死去しました（『溝口家記』）。その後、天文3年（1534年）には、子である貞忠の代に府中家の小笠原長棟に松尾を攻められ、敗れて甲斐国に逃れ、甲斐武田氏を頼ることとなりました。

まとめ

小笠原定基は、戦国時代の激しい勢力争いの中で、一族間の争いや他勢力との連携など、複雑な状況下で生き抜いた武将でした。その生涯は、戦国時代の地方豪族の興亡を象徴していると言えるでしょう。


出典

今井尭「小笠原系図」『日本史総覧』 3（中世 2）、新人物往来社、1984年。
『下伊那史 7巻』
* 「寛政重修諸家譜 巻第195」

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