小笠原義頼

小笠原義頼の生涯

小笠原義頼（おがさわら よしより）は、戦国時代に活躍した武将で、天文4年（1535年）に誕生しました。彼の初名は茂頼で、通称には彦五郎、弥八郎、豊松などがあります。義頼は小笠原春義（春儀、春茂）の四男であり、小笠原氏興（氏清）の弟という血筋を持っています。また、彼には子息にあたる小笠原義信がいました。母は今川氏親の娘であり、義頼は高天神小笠原家の当主として知られています。

義頼は、兄の氏興と共に今川氏真に仕官していました。しかし、時代と共に今川家はその勢力を落としていきました。特に、甲斐の武田信玄により甲相駿三国同盟が破棄されると、駿河を攻め取られるなど困難な状況に直面しました。さらに、徳川家康も遠江に侵攻してくるという事態に。こうした状況を受け、永禄12年（1569年）、高天神小笠原氏は家康側に内応し、主君である氏真が籠城する掛川城を袋井から攻撃して成功を収めました。この戦功により、義頼は徳川氏のもとで活動を続けることになります。

天正2年（1574年）には、甥の小笠原信興が高天神城を守っていた際、武田勝頼がその城を攻めました。この戦いは第一次高天神城の戦いとして知られています。信興は浜松城にいる家康に救援を求めるも、家康は援軍を派遣せず、結果として高天神城は開城せざるを得なくなり、信興は武田方の配下となります。しかし、義頼は他の一族とともに依然として家康側に留まることを選びました。

義頼の居城である馬伏塚城には新たに大須賀康高が入城し、その後康高が城東郡横須賀城に移動すると、義頼もこれに同行します。その後、義頼は本領を3000石に知行し、享年79歳で生涯を閉じることになります。出家した後は道鉄と号しました。彼の妻は武藤氏に属していました。

元和2年（1616年）には、義頼の子である義信が徳川御三家の一つ、紀州徳川家に仕官し、その子孫は紀州藩の家臣となります。頼宣が紀州に転任する以前、駿河国駿府城の城主として遠江も支配下に置いていたため、紀州藩には遠江国に由来する家臣が多く存在しました。義頼の一族は、戦国時代における複雑な家系と戦歴を抱えながらも、後世にその名を残した存在となりました。

このように小笠原義頼の生涯は、戦国時代の武将としての地位や、家族・家系の運命を色濃く反映したものであり、多くの歴史的エピソードとともに今も語り継がれています。

もう一度検索