小絹駅

小絹駅（こきぬえき）

茨城県つくばみらい市小絹にある関東鉄道常総線の駅です。特に常総ニュータウンの絹の台地区やきぬの里地区に近い駅として知られています。つくばみらい市の旧谷和原村にあたる地域に位置しており、周辺の谷和原地区中心市街地や小目沼橋へのアクセスにも便利な場所にあります。

歴史

小絹駅は、大正2年（1913年）11月1日に関東鉄道の前身の一つである常総鉄道の開業と同時に設置されました。その後、鉄道会社の合併を経て、昭和20年（1945年）3月30日には筑波鉄道（初代）との合併により常総筑波鉄道の駅となり、さらに昭和40年（1965年）6月1日には鹿島参宮鉄道との合併により現在の関東鉄道の駅となりました。駅舎は過去に何度か改築されており、昭和38年（1963年）に一度目の改築が行われ、平成2年（1990年）4月27日には住宅・都市整備公団および当時の谷和原村の協力によって再度改築されています。輸送力強化のため、昭和58年（1983年）5月31日には隣接する新守谷駅から当駅を経て水海道駅までの区間が複線化されました。近年では、平成21年（2009年）3月14日にICカードPASMOの利用が開始され、利便性が向上しています。駅員の配置については変更があり、平成22年（2010年）2月16日から一部時間帯が無配置となり、平成25年（2013年）2月16日以降は原則として終日無配置となっています。また、ホームの改良も行われており、平成31年（2019年）には列車の4両編成に対応するため、ホームの嵩上げが実施されました。

駅構造

駅は地上に設置されており、線路の両側にホームがある相対式ホーム2面2線の構造を持っています。ホーム上には桜の大きな木があり、季節ごとに駅を利用する人々の目を楽しませています。ホーム間は、取手駅寄りに設けられた構内踏切によって行き来することができます。特徴的な点として、上り線の取手方面行きホームには、複線区間内の駅としては珍しく待合室が設置されています。駅舎は三角屋根のデザインが印象的で、入口の左手にはスロープが整備されており、車椅子利用者なども安心して利用できるよう配慮されています。ホームは2019年の改良で、4両編成の列車に対応できるよう地面からの高さが引き上げられています。

運行形態

小絹駅には関東鉄道常総線の普通列車のみが停車します。快速列車は通過するためご注意ください。日中の時間帯は、およそ1時間に3本程度の頻度で列車が運行されています。上り列車は、新守谷、守谷、戸頭などの駅を経て終点の取手駅方面へ向かいます。一部には守谷駅止まりの列車も設定されています。下り列車は、水海道、石下、下妻方面へと向かい、終点は下館駅です。ただし、時間帯によっては下館行きの列車でも水海道駅での乗り換えが必要となる場合があります。また、夜間には下妻行きの列車も設定されています。

駅周辺

駅の出入口と駅舎は西側にのみ設けられています。駅前広場にはロータリーが整備されており、車両の乗降やバスの発着に利用されています。また、自転車利用者のために駐輪場も設けられています。駅周辺の主な道路としては、国道294号線が近くを通っており、交通の要衝となっています。この国道を挟んで北西側には小絹地区の中心部が広がり、南西側には大規模な住宅地である常総ニュータウンの絹の台地区が広がっています。駅の南側には筒戸地区が位置しています。周辺には、つくばみらい市立小絹中学校や小絹小学校といった教育施設、ケーズデンキやダイソーといった商業施設、小絹八坂神社や小絹郵便局など、地域住民の生活に密着した様々な施設が立地しています。また、常磐自動車道の谷和原インターチェンジも比較的近い場所にあり、高速道路へのアクセスも便利です。

バス路線

駅前ロータリーからは、複数のバス路線が発着しています。つくばみらい市が運行するコミュニティバス「みらい号」の「地区間西ルート」と「小絹ルート」が利用でき、市内各方面への移動手段を提供しています。これらの「みらい号」は関東鉄道が運行を受託しています。加えて、令和6年（2024年）4月からは、隣接する常総市が運行するコミュニティバス「JOY BUS」も乗り入れるようになり、「豊岡・菅生ルート」、「内守谷・坂手ルート」、「南部通勤通学ライナー」が発着しています。これにより、周辺自治体との公共交通による連携が強化されました。

その他

全国の鉄道駅の中で、駅名がひらがなの「ぬ」で終わる駅は大変珍しく、小絹駅のほかにJR西日本の甲奴駅（こうぬえき）があるのみです。これは小絹駅のユニークな特徴の一つと言えるでしょう。

■隣の駅
関東鉄道常総線（普通列車）: 新守谷駅 - 小絹駅 - 水海道駅

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