小豆沢

小豆沢の概要

小豆沢（あずさわ）は、東京都板橋区の北東部に位置する町名で、一丁目から四丁目までがあります。この地域は全域で住居表示が実施されており、板橋区と北区の境界を形成しています。新河岸川が北端を流れ、新河岸大橋を通じて北区浮間と繋がっています。

地理と地形

小豆沢は、武蔵野台地の高台と荒川低地の沖積層が接する場所に位置しています。特に三丁目と四丁目にかけては、崖線が東西に走り、約20メートルの高低差が生じています。このため、町内には多くの坂道が存在します。

河川と地価

町内を流れる新河岸川は、地域の特徴的な景観を形成しています。住宅地の地価は、2024年1月1日の公示地価によると、小豆沢2丁目で47万円/m2、小豆沢4丁目で45万1000円/m2となっています。

歴史

小豆沢は、廃藩置県前は武蔵国豊島郡小豆沢村でした。1602年には徳川家康の命により中山道が整備され、1604年には志村一里塚が築かれました。明治時代に入り、1871年に東京府に編入され、1889年には志村と合併して志村大字小豆沢となりました。

近代の発展

大正時代には、路線バスの運行が開始され、地域住民の移動手段が向上しました。関東大震災後、この地域は工業地域に指定され、多くの工場が設立されました。1929年には、オリエンタル酵母工業が創設され、国内初の製パン酵母の製造を開始しました。1932年には板橋区が発足し、志村小豆沢町となりました。

戦後の変遷

戦後、1947年には小豆沢一丁目から四丁目に分割され、1956年には板橋中央病院が開院し、小豆沢住宅が建設されました。1960年代には、住居表示が実施され、町域が再編されました。都電志村線が廃止され、都営地下鉄6号線が開通しました。その後、ダイセル東京工場が閉鎖され、跡地にはスポーツクラブやショッピングモールが建設されました。

地名の由来

小豆沢の地名は、小豆を積んだ船が沈み、その小豆が水面に浮かんだ様子から「小豆澤」と呼ばれるようになったという説が有力です。また、この地には源義家が勧請した小豆澤神社があります。

人口と世帯数

2024年3月31日現在の世帯数と人口は、板橋区によって発表されています。

教育と公共施設

小豆沢には、志村第四小学校や志村第二中学校などの教育機関があります。また、志村図書館、さかうえ児童館、小豆沢児童館といった公共施設も充実しています。小豆沢公園や薬師の泉庭園など、自然を楽しめる場所も多くあります。

事業所と交通

2021年の経済センサス調査によると、多くの事業所と従業員がこの地域で活動しています。交通面では、都営地下鉄三田線の志村坂上駅が利用でき、バス路線も充実しています。新河岸川には、東京水辺ラインの発着場もあります。

商業施設

小豆沢には、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニエンスストアに加え、ヨークマートや東武ストアといったスーパーマーケットも点在しています。飲食店や専門店も多く、生活に必要なものが揃う便利なエリアです。

町会組織

小豆沢は、各丁目ごとに複数の町会が組織され、地域住民のコミュニティを形成しています。

企業

小豆沢には、アステラス製薬、東洋印刷、トックベアリング、コーセー、オリエンタル酵母工業、トーハツ、TJMデザインなど、さまざまな企業が拠点を構えています。

寺院・神社・教会

総泉寺、妙徳寺、龍福寺、小豆沢神社など、歴史ある寺社も点在しています。

史跡

小豆沢には、志村一里塚や小豆沢貝塚といった史跡も残っています。

その他

郵便番号は174-0051で、板橋北郵便局が管轄しています。

参考文献

• - 『新編武蔵風土記稿』

外部リンク

• - 板橋区公式ホームページ

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