小里光忠

小里光忠（おり みつただ）

小里光忠は、生年不詳ながら、戦国時代の美濃国で活躍した武将です。小里氏の当主であり、小里城の城主を務めました。通称は出羽守。子に小里光次、小里光明がいます。

小里氏の出自

小里氏は、美濃の名族である土岐氏の庶流にあたります。その始まりは、明応5年（1496年）の船田合戦で敗れた土岐元頼の子、土岐頼連に遡るとされています。小里光忠は、この頼連の子として生まれました。

小里光忠の事績

天文3年（1534年）、光忠は自らの居城となる小里城を築城しました。また、近隣の明知城主・明知遠山氏と縁戚関係を結び、遠山景行の娘を嫡子・光次の妻に迎え、その関係を強固なものにしました。

高山城を巡る戦い

天文21年（1552年）、土岐郡の高山城主・高山光俊が後継者を残さずに没したため、高山城は無主の状態となりました。これに乗じて、可児郡御嵩城主の小栗重則が高山城を奪おうと侵攻を開始。この事態を知った肥田民部からの知らせを受けた遠山景前は、甲斐の武田信玄に援軍を要請しました。

信玄は、平井頼母と後藤庄助を大将として、小里光忠とその子息、遠山景行らを高山城へ派遣しました。対する小栗重則も大軍で押し寄せ、両軍は川を挟んで対峙しました。小里勢は、川を渡って攻め入ろうとする小栗勢に対し、馬上から槍を振るい、激戦の末にこれを撃退。小栗勢は敗走し、御嵩城までが武田氏の勢力下に入りました。この戦いで後藤庄助は討ち死にしましたが、高山城には平井光行とその子が入城し、城主となりました。

武田氏との関係

天文24年（1555年）、武田信玄の勢力が拡大する中で、遠山氏が武田氏に降ると、光忠もこれに従ったとみられています。しかし、元亀元年（1570年）には、織田信長が稲葉山城を攻略したことを受けて、光忠は信長に通じるようになります。この光忠の行動に対し、武田信玄は「小里については、隣国からの助けにより、すでに裏切りの意を露わにしているように見える」と不信感を抱き、遠山氏に書状を送っています。

上村合戦での最期

元亀元年（1570年）11月、武田信玄が西上作戦を開始すると、武田軍は遠山氏の領地である東美濃を通って、徳川氏の領地である三河国へ侵攻しようとしました。これに対し、光忠は織田方として、遠山景行らと共に立ち上がり、同年12月27日に上村合戦に及んだ。しかし、この戦いで小里光忠は嫡男の光次、遠山景行らと共に討ち死にしました。小里氏の家督は、次男の光明が継ぐことになりました。

小里光忠の死後

小里光忠の死後、小里氏はその勢力を大きく減退させました。光明はその後も小里城主を務めましたが、天正12年（1584年）に森長可の軍勢によって小里城は落城し、小里氏は没落しました。

まとめ

小里光忠は、戦国時代の激しい動乱期を、武田氏や織田氏といった大勢力の間で巧みに立ち回りながら、自らの領地を守り抜こうとした武将でした。その生涯は、戦国時代の地方武将の苦悩と奮闘を象徴するものとして、後世に語り継がれています。

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