小里光明

小里光明

小里光明（おり みつあき）は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将です。美濃国土岐郡小里城（現在の岐阜県瑞浪市）を本拠とする小里氏の出身で、父は小里光忠です。幼名は不明で、内作、助右衛門と称し、後に和田光明と名乗りました。

生涯

1572年、父の光忠と兄の光次が織田信長に従い、武田氏との上村合戦で戦死したため、家督を継ぎました。1574年には、武田氏の岩村城攻略の拠点として小里城を改修し、池田恒興が御番手を務めましたが、翌年に岩村城が落城したため、工事は中止されました。

本能寺の変後、美濃を支配した織田信孝に仕えますが、信孝が羽柴秀吉と対立すると、羽柴方についた森長可と戦います。1583年、森長可に小里城を攻められ、大川村で戦い、多くの家臣を失い敗北。小里城を失い、義兄弟である三河国の鈴木信義を頼り、三河国小原村に亡命しました。その後、和田姓を名乗り、徳川家康に仕えることになります。

1584年の長久手の戦いでは、嫡男の小里光直が負傷し、これが原因で後に亡くなっています。しかし、光明自身は戦功により、土岐郡、恵那郡の本領を安堵されました。1591年には、旗本として相模国に300石を賜りました。

1600年の関ヶ原の戦いでは、東濃の戦いで、遠山利景・方景父子らとともに明知城を奪還。さらに小里城、神篦城を奪還し、岩村城を開城させる活躍を見せました。この功績により、孫の光親は旧領3619石を与えられ、旗本として小里陣屋を築くことになります。

人物・逸話

光明は、激動の戦国時代を生き抜いた武将であり、織田信長、織田信孝、そして徳川家康と、有力な戦国大名に仕え、その時々の情勢に対応しながら、家名の存続に尽力しました。本能寺の変後の混乱期には、主君を失い、旧領を奪われるなど苦難の連続でしたが、関ヶ原の戦いで旧領を回復するなど、その生涯は波乱に満ちたものでした。

また、小里城の改修や、十三塚にまつわる逸話など、地域に根差した歴史を今に伝えています。

参考文献

『美濃古戦記史考 : 六古記原文とその注釈』　和田殿最期 併小里城没落之事　p155～p165 渡辺俊典 　瑞浪市郷土史研究会　1969年
『濃州小里記略解』　土屋権兵衛 [著], 成瀬正夫, 水野孝 編　稲津町文化財を守る会　1982年
『瑞浪市史　歴史編』 第五編　兵乱の世　第一章　織豊時代　第二節　豊臣時代　二　森氏の東濃侵略と小里氏退去　　p437～p443 瑞浪市　昭和49年(1974年)
『瑞浪市史　歴史編』 第五編　兵乱の世　第一章　織豊時代　第三節　関ヶ原「東濃合戦」　二　関ヶ原東濃合戦　p456～p458 瑞浪市　昭和49年(1974年)
* 『瑞浪市史　歴史編』 第五編　兵乱の世　第一章　織豊時代　第四節　兵乱終結期の郷土　小里氏　p480～p482　瑞浪市　昭和49年(1974年)

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