小野川部屋

小野川部屋の歴史

小野川部屋（おのがわべや）は、かつて存在した日本の相撲部屋で、大坂相撲の名門として知られています。部屋の歴史は、力士の移籍や親方の交代、さらには他部屋との交流を含んでおり、非常に興味深いものとなっています。

部屋の設立と大坂相撲の名門

小野川部屋は、特に1927年の東西合同相撲の際に、その名を知られるようになりました。親方は当時の幕内力士である錦城山勇吉で、下位には錦華山大五郎と小野錦仁之助が所属していました。同時期に大阪から加入した陣幕部屋との交流も深く、親方同士が兄弟弟子であったことが背景にあります。

力士の昇進と部屋の変遷

1928年には、親方である錦城山が廃業し、1931年には陣幕部屋の親方荒熊も廃業の道を選びました。しかし、同年に錦華山が入幕し、コンスタントに力士が昇進していきました。1933年になると小野錦も入幕し、部屋の活性化が進みました。

1934年に小野川部屋は閉鎖され、その親方を含む力士全員が陣幕部屋へ移籍しました。この移籍は、当時の相撲界の動向を反映したものでありました。

その後、1938年には小野川親方が部屋の経営を再開し、師匠として力士たちを再び小野川に所属させました。この再編成により、錦華山、青葉山が所属することになりましたが、40年には錦華山が引退し、名跡が高崎に襲名される事態となります。

最後の閉鎖と名跡の移動

1944年になると、青葉山が年寄専業に移行したため小野川部屋は再度閉鎖され、その後1945年には親方が廃業します。さらに1947年、陣幕部屋も閉鎖されることとなり、陣幕親方は出羽海部屋に移籍し、力士たちも再編されながら新たな道を歩むことになります。

その後、錦華山の小野川親方が部屋を再興し、関脇信夫山治貞や海乃山勇といった力士を育てました。彼らは技術力に優れた力士たちであり、特に栃若時代に名わき役として注目されました。

1965年からは部屋別の総当たり制が導入される直前に小野川部屋は閉じられ、海乃山をはじめとする全ての力士が出羽海部屋に移籍しました。

名跡の変遷

その後、海乃山が引退すると小野川を襲名しましたが、まもなく廃業。この名跡は大阪相撲の流れを受け継ぐ形で、三保ヶ関部屋の大関である増位山太志郎が所有することになります。増位山太志郎から横綱北の湖敏満への名跡の交換を経て、現在は北の湖部屋の幕内力士だった巌雄謙治が所有する段階へと移行します。

このような背景から、小野川部屋の名跡は大阪相撲の系譜を伝える重要な位置付けを持っており、歴史の中で様々な力士たちの物語が絡み合っています。近年でも、北太樹明義が名跡を取得し、さらにその伝統が引き継がれています。

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