錦華山大五郎

錦華山大五郎（きんかざん だいごろう）は、1900年8月26日に兵庫県津名郡（現在の洲本市）で生まれた元大相撲力士です。本名は濱野平蔵（はまの へいぞう）といいます。

生涯

1900年、兵庫県津名郡で誕生。
当初は大阪相撲の小野川部屋に入門し、幕下まで昇進しました。1927年の東西合併により、東京相撲の三段目に編入されました。

「喧嘩山」という愛称で呼ばれるほど、上突っ張りが得意でしたが、四つに組むと力を発揮できないという弱点があり、出世が遅れた要因となりました。

1929年5月場所で十両に昇進し、1931年5月場所には念願の入幕を果たしました。

当初は連合側に所属していましたが、1932年1月場所では出羽海部屋に移籍。
しかし、この時に勃発した春秋園事件により、出羽海部屋での取組は実現しませんでした。その後、1933年1月場所で幕内格別席として復帰。
幕内中位から十両で長く相撲を取り続け、1940年1月場所で39歳で現役を引退しました。当時としては珍しい長期にわたる力士生活でした。

幕内では、横綱双葉山定次との対戦で通算2勝1敗と勝ち越しています。

引退後は年寄・高崎（後に小野川）を襲名し、小野川部屋を再興しました。
関脇信夫山治貞、海乃山勇、小結成山明といった技能派力士を育成しましたが、現役時代の取り口とは異なり、周囲からは「師匠は器用でもないのに…」と言われていました。

1965年8月25日の停年退職を前に、1964年限りで部屋を閉鎖。
所属力士は出羽海部屋に移籍させ、その後間もなく67歳で亡くなりました。

主な成績

通算幕内成績：48勝63敗1分13休　勝率.432
幕内在位：12場所（春秋園事件の1932年1月場所を含む）

各段優勝

十両優勝：2回（1931年3月場所、1937年5月場所）
幕下優勝：1回（1929年1月場所）
* 三段目優勝：1回（1927年1月場所）

錦華山大五郎は、その長い力士生活と、引退後の後進育成によって、相撲界に大きな足跡を残しました。

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