小阪昇

小阪昇七段の棋士人生

1950年2月18日生まれの将棋棋士、小阪昇七段。1973年10月1日、奨励会A組で11勝1敗の圧倒的な成績でプロ入りを果たしました。藤内金吾八段門下で、棋士番号は112番。兵庫県神戸市出身です。

奨励会時代からプロ入りまで

小阪七段は奨励会時代、A組（旧三段リーグ）で5年間もの間足踏みする時期もありました。しかし、第10期（1973年前期）には11勝1敗という驚異的な成績で1位となり、関東1位の桐谷広人との東西決戦を制して、念願のプロ入りを果たしました。

プロ入り後の活躍

プロ入り後は、1975年度の王位戦リーグ入りを果たすなど、順調なスタートを切ります。1978年には第9回新人王戦で決勝三番勝負に進出。相手は、弟弟子であり親友でもある森安秀光でした。森安は前年度優勝者で、2年連続優勝、通算4回目の優勝を狙っていました。しかし、小阪七段は見事1敗の後の2連勝で優勝を飾りました。続く名人vs新人王戦では中原誠名人に敗れましたが、新人王のタイトルを獲得したことは、彼の棋士人生における大きな功績となりました。

その後もNHK杯戦で本戦出場を果たし、1回戦で宮坂幸雄、2回戦では兄弟子の内藤國雄を破る活躍を見せました（3回戦で大山康晴に敗退）。

順位戦と昇級

順位戦では、1985年度のC級2組順位戦で7勝2敗という好成績で最終局を迎え、昇級の可能性がありました。最終局も勝利し8勝2敗としましたが、ライバルの棋士の成績により昇級はなりませんでした。翌年度もC級2組順位戦では、当時順位戦デビューの羽生善治に勝利するなど、7勝まで全勝で絶好のポジションにいましたが、終盤3連敗を喫し、昇級を逃しました。

1988年度の第1期竜王戦4組でも、昇級がかかる準決勝で羽生善治に敗れ、順位戦、竜王戦ともに昇級を果たすことなく棋士生活を終えました。新人王経験者で、一度も昇級できなかったのは小阪七段ただ一人という、珍しい記録となっています。

引退

2010年に引退しました。引退規定の改定により、引退日は年度末から最終対局日へと変更され、小阪七段の引退日は竜王戦6組の昇級者決定戦で3連勝した後に、千葉幸生に敗れた7月14日となりました。

棋風

小阪七段は振り飛車党で、中飛車、四間飛車、三間飛車、向かい飛車、相振り飛車と幅広い戦法を操りました。先手番では居飛車も指すことがありましたが、後手番では中飛車や三間飛車が多かったようです。金や銀を前線に繰り出す、厚い攻めが特徴でした。

人物像

三段の頃には、当時中学生だった谷川浩司に毎週将棋を指導していたというエピソードがあります。また、麻雀が趣味で、伊達康夫、桐山清澄、小林健二ら棋士たちと長年麻雀研究会を続けていました。

昇段履歴

1962年：奨励会入会（8級）
1965年：初段
1973年10月1日：四段（プロ入り）
1980年11月17日：五段
1987年7月9日：六段
1999年9月28日：七段
2010年7月14日：引退
2020年4月1日：八段（引退棋士昇段規定）

主な成績

通算成績：444勝580敗
優勝：新人王戦1回

表彰

* 現役勤続25年表彰（1997年）

小阪昇七段の棋士人生は、持ち前の粘り強さと独自の棋風で、将棋界に彩りを添えたと言えるでしょう。新人王という輝かしいタイトルを獲得した一方、昇級の壁に阻まれた経験も、彼の棋士人生を語る上で欠かせない要素です。そして引退後も、八段に昇段し、将棋界に貢献し続けています。

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