少年雑誌

少年雑誌とは

少年雑誌は、主に少年層を読者対象とした総合雑誌です。かつては、文化的な記事や読み物、絵物語が中心でしたが、1960年代以降は漫画が主体となり、活字中心の雑誌は教育的なメディアとしての側面が強くなりました。特に、小学生低学年以下の読者向けの雑誌は、児童雑誌と呼ばれることもあります。

歴史

少年雑誌は明治時代から存在し、大正から昭和にかけて『少年倶楽部』や『日本少年』が人気を博しました。戦後復興期から高度経済成長期にかけて、少年漫画は大きな発展を遂げ、多くの漫画家が少年漫画作品を提供しました。

高度経済成長期には、月刊誌は一話完結、週刊誌はストーリー漫画という傾向が強まりました。これは、月刊誌が繰り返し読まれ、週刊誌が安価で気軽に読めるという特性によるものです。

1960年代初頭までは、『ぼくら』『少年クラブ』『幼年ブック』『おもしろブック』『少年』『少年画報』『漫画王』『冒険王』『漫画少年』などが小学生に大人気を博し、少年漫画雑誌は子供達にとって世界の情報源でした。

1960年代に入ると、子供たちの興味はテレビに移り、『週刊少年サンデー』や『週刊少年マガジン』のような漫画主体の週刊少年漫画雑誌が主流となりました。その後、1977年には『月刊コロコロコミック』、1981年には『コミックボンボン』などの児童向け漫画雑誌も創刊され、幼年漫画と少年漫画の中間層を担いました。

熱心な科学少年には『子供の科学』が支持されましたが、マイナーな位置に留まりました。

少年雑誌は、少年だけでなく大人も読んでおり、青年漫画が生まれる1970年代には高校生や大学生が主な読者層でした。現在でも青年誌より少年雑誌の漫画を好む大人も多く、若い母親が『週刊少年ジャンプ』を愛読し、息子に少年キャラクターの名前を付けるという例も見られます。

少年層を対象としているかどうかの判断基準の一つは、漢字に教育漢字までルビが振られているかどうかです。教育漢字にルビが振られていれば、小学生以下が主な対象読者であると判断できます。

内容の変化

少年雑誌は、当初から冒険活劇を主体とする作品が多く、SF作品も人気がありました。読者の憧れや遊び方を反映し、異国情緒あふれる冒険ものや、軍事物、戦記物などが描かれました。経済成長とともに、スポーツ選手、自動車、テレビゲームなどが特集や漫画で取り上げられるようになりました。

テーマとしては、努力、根性、友情などが定番でしたが、1980年前後からは社会風潮の変化とともに、これらのテーマが揶揄されることもありました。現代の実利的な価値観を反映し、過剰な根性論は廃れています。

近年では、動物虐待や凶悪犯罪への警戒から、出版側が自主規制でそのような描写を避ける傾向があります。一方で、憎むべきキャラクターを演出するために残酷な描写を取り入れる作品や、現代では希薄となった「生と死」をテーマとする作品も存在します。しかし、これらの描写が保護者層から問題視されることもあります。

少年雑誌の漫画制作は、現代では分業生産体制が一般的です。多くの漫画家がアシスタントを抱え、安定した作品供給や緻密な描写を実現しています。

1970年代には、永井豪作品の性的な描写が議論を呼びましたが、1980年代からは水着アイドルのグラビア掲載も始まりました。しかし、現在では少年漫画誌の性的描写は控えめになり、高年齢層は青年漫画誌に移行する傾向にあります。

広告媒体として

戦後の少年雑誌は、通信販売の広告媒体としても発展しました。特に少年層向けの玩具やサプリメントなどの広告が目立ちました。しかし、中にはいかがわしい商品や効果が不確かな商品、危険な商品を販売する業者も存在し、社会問題となりました。保護者の中には、漫画の内容だけでなく、このような広告を嫌う人もいます。

一方で、メディアミックスやタイアップ作品も増え、様々な商品が紙上で宣伝されるようになりました。特に、アニメ化された作品は人気投票の結果が反映されることが多く、少年雑誌とテレビメディア、玩具メーカーの連携が強まっています。

近年では、漫画、アニメ、ゲームが連携し、キャラクターゲームの宣伝活動として、少年雑誌で特集記事が組まれることが一般的になっています。この流れは、『ドラゴンクエストシリーズ』の成功に源流を見出すことができます。

また、ライトノベルやアダルトゲームのコミカライズ作品が少年誌で連載されることも多く、それに特化した少年誌も存在します。グラビアページでは、アイドル雑誌と同様に新人アイドルの宣伝活動に活用される傾向も見られます。

日本の主な少年雑誌

週刊少年雑誌

週刊少年マガジン
週刊少年サンデー
週刊少年キング（休刊）
週刊少年ジャンプ
週刊少年チャンピオン

児童向け雑誌

月刊コロコロコミック
最強ジャンプ
ケロケロエース（休刊）
コミックボンボン（休刊）
月刊コミックブンブン（休刊）

関連項目

日本の漫画雑誌
学年誌
少年漫画
少女漫画
* 少女雑誌

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