尾形希和子

尾形 希和子 - 西洋美術史学者

尾形希和子（おがわ きわこ）は、1959年に生まれた日本の西洋美術史学者であり、現在は沖縄県立芸術大学の教授として教鞭を執っています。彼女の研究対象は主に西洋中世の美術史に焦点を当てており、イタリア語を学んだ背景を活かしながら、多様な視点から美術を分析し理解することに努めています。

学歴とキャリア

記録によると、尾形は1982年に大阪外国語大学のイタリア語科を卒業した後、1988年には東京外国語大学大学院地域研究研究科の博士課程を満了しています。この学問的な基盤に基づいて、彼女は沖縄県立芸術大学で助教授としてキャリアをスタートさせ、その後教授へと昇進しました。現在も教育の現場で後進の育成に尽力しています。

研究と著作

尾形の研究成果は多岐にわたりますが、特に中世美術とその社会的・文化的文脈について深い洞察力を持っています。彼女の著書には以下のものがあります。

• - 『レオノール・フィニ 境界を侵犯する新しい種』（東信堂、2006年）

この著作では、レオノール・フィニというアーティストに焦点を当て、彼女の作品や思想がどのように美術界に影響を与えたかを探求しています。

• - 『教会の怪物たち ロマネスクの図像学』（講談社選書メチエ、2013年）

この本では、ロマネスク様式の教会美術を分析し、社会や宗教の影響を受けた図像が持つ意味について考察しています。

• - 『西洋の護符と呪い－プリニウスからポップカルチャーまで』（八坂書房、2023年）

近年の著作では、護符や呪いといったテーマが、古代から現代にかけてどのように展開してきたのかを探ることで、文化の連続性と変容を考察しています。

翻訳業務

また、尾形は翻訳家としても活動しており、多数の著作を翻訳しています。その中には次のようなものがあります。

• - 『ジョット』（サンドリーナ・バンデーラ・ビストレッティ著、京都書院、1995年）

• - 『スキタイの子羊』（ヘンリー・リー、ベルトルト・ラウファー著、武田雅哉との共訳、博品社、1996年）

• - 『バロックのイメージ世界 綺想主義研究』（マリオ・プラーツ著、上村忠男、廣石正和、森泉文美との共訳、みすず書房、2006年）

彼女の翻訳活動は、西洋美術の知識を広める重要な役割を果たしており、学生たちや一般読者に向けて新しい視点を提供しています。

まとめ

尾形希和子は、西洋中世美術史を専門とする学者として、教育、研究、翻訳の分野で多彩な活動を続けています。彼女の著作や研究は、日本の美術史における重要な資産となっており、今後のさらなる展開が期待されます。

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