屈垣

屈垣（くつ えん）

屈垣（389年 - 443年）は、中国北魏時代の政治家であり軍人。字は長生といい、本貫は昌黎郡徒河県にあります。

生涯

屈垣は、屈須（屈遵の子）の長男として生まれました。道武帝の時代初期には、給事諸曹という職務に就いていました。明元帝の時代には、将作監という役職を務めました。太武帝が即位すると、間もなく尚書右僕射に転任し、侍中の位も加えられました。平涼攻略の功績により、済北公の爵位を授けられ、平南将軍の位も加えられました。その後、中領軍に転任しています。

皇太子の拓跋晃が立つと、屈垣は太子少傅を兼任しました。北魏が北燕を討伐した際には、屈垣は鎮東大将軍に進み、軍を率いました。北魏軍が北燕の首都である和龍に到着した際、北燕の君主である馮弘は牛や酒を献上し、降伏の意を示しました。しかし、屈垣は北燕が人質を送ってこなかったことを厳しく非難し、北燕の男女6000人を連行して帰還しました。

太武帝は屈垣を公正な人物として高く評価し、深く信頼していました。そのため、太武帝が自ら軍を率いて遠征する際には、常に屈垣に留守を任せていました。また、襄城公の盧魯元と共に邸を賜り、太武帝はしばしば屈垣の邸を訪れていたと伝えられています。

443年、屈垣は落馬が原因で亡くなりました。享年は55歳でした。太武帝が陰山に巡幸していた際に、拓跋晃が使者を派遣して屈垣の訃報を伝えると、太武帝はその死を深く悼み、「汝ら朕の良臣を殺して、何ぞ乗馬を用いん」と言い、使者に徒歩で帰らせたとされています。死後、征西大将軍の位を追贈され、諡は成公とされました。

子女

屈観（早逝）
屈道賜（信都侯、尚書右僕射・侍中）

伝記資料

『魏書』巻33 列伝第21
『北史』巻27 列伝第15

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