屯倉神社

屯倉神社（みやけじんじゃ）

大阪府松原市三宅中に位置する屯倉神社は、地元で「みやけじんじゃ」として親しまれている神社です。旧社格は村社であり、現在は開運松原六社参りの一社として、多くの人々に信仰されています。この六社参りには、屯倉神社の他に、柴籬神社、布忍神社、我堂八幡宮、阿保神社（いずれも松原市内）、そして阿麻美許曽神社（大阪府東住吉区）が名を連ねています。

祭神

屯倉神社では、以下の三柱の神様が祀られています。

菅原道真公：学問の神様として広く知られています。
須佐之男命：厄除けや災難除けの神様として信仰されています。
品陀別命：武運長久の神様として崇められています。

歴史

この地には古くから、土師氏（後の菅原氏）の祖神である天穂日命を祀る「穂日の社」が存在していたと伝えられています。神社の縁起によれば、菅原道真公が太宰府へ左遷される途中にこの地に立ち寄り、祖先ゆかりの「穂日の社」で無実を訴えたとされています。しかし、大阪府内にはこの地以外にも道真公の伝説が残る場所があり、真実は定かではありません。確かな記録としては、朱雀天皇の時代に、釈道賢という僧侶が十一面観世音のお告げを受け、地元住民と協力して天慶5年（942年）に道真公を祀ったことが始まりとされています。その後、この地は畠山氏の国人衆である三宅氏の居城跡となり、現在に至っています。当初は三宅天満宮と呼ばれていましたが、明治時代に屯倉神社へと改称されました。

文化財

屯倉神社には、天神信仰にまつわる貴重な文化財が数多く残されています。

菅原道真像：本殿には、ほぼ等身大の道真公の木像が安置されています。伝説によれば、道真公自身が太宰府で鏡に映る姿を彫り、縁のあるこの地に送ったとされます。ただし、胴体部は近世の作とされています。
近衛信尋自画「渡唐天神像」：近衛信尋が描いたとされる渡唐天神の絵。
後陽成天皇御筆「菅原道真画像」：後陽成天皇が筆を執ったとされる道真公の肖像画。
近衛基熙筆「南無天満大自在天神」名号：近衛基熙が書いた天満大自在天神の名号。

これらの文化財は、天神信仰の歴史と深さを物語っています。

境内

境内には、かつて神宮寺であった三宅寺の跡があります。現在は廃寺となっていますが、その名残を感じることができます。

末社

境内には、以下の末社が祀られています。

天津神社
日吉神社
大物主神社
素盞嗚神社
天照大神社
琴平神社
市杵島神社

これらの末社は、地域の人々の信仰を支えています。

酒屋神社

境内社として、酒屋神社が鎮座しています。祭神は津速魂命です。この神社は元々、現在の松原市三宅中六丁目2-2に鎮座していましたが、明治40年（1907年）に屯倉神社境内に移されました。酒屋神社は、古くからこの地で信仰されてきた式内社です。

現地情報

所在地

大阪府松原市三宅中4丁目1番8号

交通アクセス

最寄りの駅は近鉄南大阪線河内松原駅です。駅から徒歩で約21分（北に1.7km）の距離にあります。

まとめ

屯倉神社は、菅原道真公を祀る歴史ある神社であり、多くの文化財が残されています。地元の人々からは「みやけじんじゃ」として親しまれ、開運松原六社参りの一社として、多くの参拝者が訪れます。

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