布忍神社

布忍神社について

布忍神社（ぬのせじんじゃ）は、大阪府松原市北新町に鎮座する神社です。旧社格は村社であり、地域の人々から崇敬を集めています。

祭神

主祭神は以下の三柱です。

速須佐男之尊（はやすさのおのみこと）
八重事代主之尊（やえことしろぬしのみこと）
建甕槌雄之尊（たけみかづちおのみこと）

歴史

創建年代は明確ではありませんが、社伝によると、天美の氏神である阿麻美許曽神社から速須佐男之尊を招いたことが始まりとされています。この際、白布を敷いて神を迎えたことから、「布忍」という社名が付けられたと伝えられています。また、日本書紀に登場する布忍入姫命が社名の由来であるという説もあります。

弘仁5年（814年）には、空海が嵯峨天皇の勅願により布忍寺の伽藍を再建した際、鎮守として牛頭天王（速須佐男之尊）を祀ったとされています。さらに、寛治3年（1089年）には、布忍寺の起源にまつわる逸話として、永興律師を導いた童子が白い布をまとい現れたため、この寺が布忍寺と名付けられたという伝承も残っています。

布忍寺は、明治6年（1873年）の廃仏毀釈によって廃寺となり、布忍神社は独立して村社となりました。現在では、かつて布忍寺の塔頭であった東之坊が布忍寺の名を継承しています。

現在、布忍神社は、柴籬神社、我堂八幡宮、屯倉神社、阿保神社、阿麻美許曽神社とともに「開運松原六社参り」を構成しています。これらの神社を巡ることで、開運を願うことができるとされています。

境内

本殿：江戸時代前期に再建されたもので、大阪府指定有形文化財に指定されています。一間社流造で、創建当初の姿を忠実に復元しており、蛙股には薬師如来を表す梵字が彫刻されています。また、伝狩野探幽筆とされる唐獅子の壁画も修復されており、建造物と絵画の融合例として貴重です。
拝殿：参拝者が祈りを捧げる場所です。
社務所：神社の事務を行う場所です。
表門：神社の正面入り口です。
摂末社：境内には、末廣稲荷社や白蛇大神社などがあります。

文化財

大阪府指定有形文化財
本殿 附：木片（寛文3年（1663年）銘）
大阪市指定有形文化財
布忍八景扁額：江戸時代中期に作られたものです。

所在地

大阪府松原市北新町2丁目4-11

アクセス

近鉄南大阪線布忍駅から西へ徒歩5分

まとめ

布忍神社は、創建から長い歴史を持ち、地域の人々の信仰を集める神社です。本殿は府の有形文化財に指定されており、歴史的にも価値の高い建造物です。また、神仏習合の時代の面影を残しており、歴史に興味のある方にとっても見どころの多い場所です。

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