山代氏益

山代 氏益について

山代氏益（やましろのうじます）は、平安時代初期の日本に生きた貴族である。彼の姓は宿禰であり、父親は山代国雄という名の一族の者である。氏益は官位として、従五位下や越中介などを歴任しており、さまざまな公務を通じてその名を残している。

生涯の主要な出来事

氏益は特に第19次遣唐使の一員としての活動が知られる。彼は承和5年（838年）に録事として命ぜられ、唐への渡航が決定した。この旅は彼の人生において重要な役割を果たしている。承和6年（839年）の際、戻る際に使用した三船が不完全だったため、氏益とその一行は新羅の南岸沿いに新羅船を九隻雇い、帰国の途に就いた。

彼は帰国を果たしたのは承和6年（839年）の10月のこと。少し遅れて筑前国博多津に到着した。帰国後は、右少史から始まり、左少史、少外記、大外記といった文書管理を担当する官職を歴任していった。これに並行して、承和8年（841年）には式部大丞の小野恒柯と共に、渤海よりの使者を迎える義務を負ったことでも知られている。

その後、承和10年（843年）に外従五位下に昇進し、山城介に任じられた。しかし、仁明朝後半では地方官としての職務を担うことが多くなった。嘉祥2年（849年）には、勘解由次官として畿内の官職に復帰し、また嘉祥3年（850年）には内位として従五位下に叙せられ、再度地位が高まった。

官歴の詳細

氏益の官歴は古代日本の官職の変遷を感じさせるものである。『六国史』によれば、彼は主に次のような官歴を持つ。

• - 時期不詳：正六位上
• - 承和6年（839年） 10月9日：見遣唐録事
• - 承和7年（840年） 正月：右少史
• - 承和8年（841年） 2月：左少史。8月14日：少外記。12月25日：存問渤海客使
• - 承和9年（842年） 2月10日：大外記
• - 承和10年（843年） 正月11日：外従五位下。正月12日：豊前介。2月10日：山城介
• - 承和14年（847年） 2月11日：山城介
• - 嘉祥2年（849年） 2月27日：勘解由次官
• - 嘉祥3年（850年） 正月7日：従五位下（内位）
• - 仁寿2年（852年） 正月15日：越中介

この他、氏益にはいくつかの子供があったとされ、その家系も地域の歴史において重要な役割を果たしている。

家族

特に彼の家族構成にも注目が集まる。母の情報は不明であるものの、山代氏益には四人の男子が存在した。具体的には、山代宗雄、山代豊雄、山代宮長、山代長雄という名が伝わっている。これらの子供たちは氏益の名を受け継ぎ、家系の発展に寄与したと考えられる。

参考文献

• - 森田悌『続日本後紀』（上下巻）、講談社〈講談社学術文庫〉、2010年
• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年

平安時代の貴族社会において、山代氏益は多方面で活躍した貴族であり、その業績は今も人々の関心を引き続けている。彼の人生とその背景には、当時の政治や貴族制度の複雑さが垣間見られる。

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