山内埠頭

山内埠頭の概要

山内埠頭は、神奈川県横浜市神奈川区に位置する横浜港の埠頭の一つで、山内地区とも呼ばれる地域を代表する名称です。その面積は約20.2ヘクタールに及び、山内町、橋本町、星野町（一部）にまたがっています。

歴史と変遷

山内埠頭は、高島埠頭（現在のみなとみらい中央地区）と共に、1928年（昭和3年）から内国貿易埠頭として整備が始まり、1932年（昭和7年）に完成しました。埠頭内には中央卸売市場が開場し、貨物専用線が敷設されたほか、1934年（昭和9年）には貨物支線として山内町駅（後の横浜市場駅）が設置されました。

戦後、山内埠頭は東南アジアや中近東方面への航路にも利用されましたが、横浜港の奥部に位置し市街地にも近いことから、大型船舶の受け入れが難しいという課題も抱えていました。そのため、周辺の再開発計画「みなとみらい21」の進展に合わせて、1988年（昭和63年）から1993年（平成5年）にかけて再整備が行われました。この再整備では、災害時の緊急物資輸送拠点としての役割を担えるよう、耐震岸壁が整備されました。2008年（平成20年）には、埠頭内を通る臨港幹線道路（みなとみらい地区〜瑞穂埠頭区間）も完成し、アクセスが向上しました。

かつて埠頭の北東部には浅野造船所の浅野ドックがありましたが、1995年（平成7年）に閉鎖されました。2000年代中頃からは、遊休化していたドックや工場跡地を利用し、「コットンハーバー地区」として再開発が進められています。

現在の状況

現在、山内埠頭の施設としては、リサイクル資源の集積・輸送拠点である「山内ふ頭上屋」と荷さばき地が主なものです。埠頭の大部分は、横浜市中央卸売市場本場と前述のコットンハーバー地区が占めています。

埠頭内の施設・再開発地区

横浜市中央卸売市場本場: 鮮魚や青果など、生鮮食料品を扱う市場。
コットンハーバー地区: 浅野ドック跡地などを再開発した、住宅や商業施設が複合するエリア。

臨港幹線道路によるアクセス

山内埠頭へのアクセスは、臨港幹線道路を通じて向上しています。

みなとみらい橋: みなとみらい地区と山内埠頭を結ぶ橋。
コットン大橋（自動車専用）: 中央卸売市場本場とコットンハーバー地区を結ぶ橋。
* 瑞穂大橋: 瑞穂埠頭方面（横浜ノース・ドック手前）へと続く橋。

まとめ

山内埠頭は、その歴史の中で横浜港の発展に大きく貢献してきました。内国貿易の中心地としての役割を終えた後、再開発を経て新たな機能と魅力を持つエリアとして生まれ変わりつつあります。リサイクル資源の集積拠点としての役割を担う一方で、横浜市中央卸売市場やコットンハーバー地区のような多様な施設が共存し、横浜の都市機能を支える重要な場所となっています。

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