山口俊雄 (新派俳優)

山口 俊雄（やまぐち としお）について

山口俊雄は1897年4月10日に熊本県で生まれ、1945年1月27日に亡くなった、日本の著名な俳優です。彼は新派劇の演技者として知られていますが、映画にも出演し広く影響を与えました。彼のキャリアは長く、多彩で、多くの主要な劇団や映画プロダクションで活躍してきました。

初期の経歴

山口は東京に出て、旧制・錦城中学校を卒業後の18歳の時、1915年に東京の「有楽座」で初舞台を踏みました。その後、様々な新派劇団で経験を積み、1918年には松竹の「新声劇」に参加し活躍を始めました。この時期、彼は井上正夫の一座で学び、大阪を拠点にする新派劇団で演技の腕を磨きました。

映画への道

1926年、松竹取締役の白井信太郎と共に「新潮座」を結成し、同年の8月には京都で旗揚げ公演を行いました。1928年には、牧野省三が率いるマキノ・プロダクションと提携し、映画『会津の小鉄』と『仇討殉情録』に主演しました。これにより彼の映画俳優としての地位が固まりました。

同年の4月には、新潮座を脱退し、マキノ・プロダクションに単独で入社。その後、映画界における独立プロダクションの流れに参加し、独自のプロダクションである「山口俊雄プロダクション」を設立しました。

独立プロダクションの設立

山口は他の俳優たちと共に「日本映画プロダクション連盟」を結成し、新たな映画制作の道を模索しました。しかし、彼のプロダクションは長続きせず、わずか数ヶ月で解散。その後、舞台に戻り、様々な劇団に参加しました。特に、1929年には松竹が結成した「第一劇場」に参加し、大阪の浪花座での旗揚げ公演『飛ぶ唄』などに出演しました。

多彩な活動

1934年には「関西新派劇」にも関与し、さらに1936年には井上正夫が創立した「井上演劇道場」に参加して演技を続けました。これらの経験から、彼は映画界のみならず舞台芸術でも大きな影響を与えました。

戦時中の活動と最期

第二次世界大戦中、山口は1943年に下條正巳と共演し映画『太平洋の風』に出演するなど、戦時中も活躍していました。しかし、終戦前の1945年、彼は47歳という若さでこの世を去ることとなりました。

俳優としての影響

山口俊雄は、新派劇の発展に寄与しただけでなく、映画界においてもプロデュースや作品における主演を通じて、その地位を確立しました。彼のキャリアの中で出た作品は、現在も多くの人々に親しまれています。彼の人生は、新しい演技スタイルの確立や、映画業界の変化に対して積極的に関与したことから、後の世代の俳優たちにも影響を与え続けています。

フィルモグラフィ

ここでは山口俊雄が主演した映画を概観します。
1. 会津の小鉄（1928年） - 監督: 吉野二郎
2. 仇討殉情録（1928年） - 監督: マキノ正博
3. 月形半平太（1928年） - 監督: 印南弘

総じて、山口俊雄は日本の演劇・映画史において重要な存在であり、その影響は長きにわたって語り継がれることでしょう。

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