山口昇 (軍事評論家)

山口昇（やまぐち のぼる）

山口昇は1951年に生まれた日本の陸上自衛官であり、研究者や軍事評論家としても名を馳せています。彼は防衛大学校を1974年に卒業し、陸上自衛隊に配属されました。その後のキャリアにおいて、彼は数々の重要な役職を歴任し、最終的には陸将の階級に達しました。

自衛官としての経歴

自衛官としてのキャリアは、1974年に防衛大学校を卒業するところから始まります。同期には火箱芳文や杉本正彦などがいます。配属先は陸上自衛隊航空科部隊であり、その後も防衛関連の教育や運営に従事しました。1983年には陸上自衛隊幹部学校で指揮幕僚課程を修了し、1991年にはハーバード大学のジョン・M・オーリン戦略研究所で客員研究員として勤務しました。

その後、外務省北米局の日米安全保障条約課などに出向し、統合幕僚会議事務局や第11師団司令部においても重要な役職を担いました。特に1999年から2001年まで外務省在アメリカ合衆国日本国大使館の首席防衛駐在官を務め、米国との安全保障に関する関係構築に努めました。退官は2008年で、陸上自衛隊研究本部長として最後の職務を果たしました。

研究者としての活動

退官後は2009年から防衛大学校の教授として、日米同盟や軍事史に焦点を当てた教育を行っています。米国の政府や軍の高官とのネットワークを築く中で、軍事関連の研究や論文を多数発表しました。また、彼自身を「軍人スカラー」と称し、制服組を代表する意見を発信してきました。

さらに、2011年に発生した東日本大震災時には、危機管理と復興問題の担当として内閣官房参与を務めました。この経験は、彼の研究や教育にも大きな影響を与えています。2015年からは国際大学の国際関係学研究科教授としても活躍しており、軍事や外交に関する実践的な知識を学生に伝えています。

著作と功績

山口はいくつかの著作の監修を行っており、特にルパート・スミスの『軍事力の効用』やチャック・ウィルズの『図解 世界の武器の歴史』などが挙げられます。彼の指導の下、多くの学生や研究者が安全保障や軍事について学んでいます。

また、2017年には外務省「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」委員として選ばれ、フォーラムやシンポジウムにおいても積極的に意見を発表しています。2022年には、瑞宝中綬章を受章しており、彼の功績が認められています。

このように、山口昇の人生は自衛官としての経験と研究者としての活動が密接に結びつき、彼は日本の安全保障における重要な存在として認識されています。彼の洞察と実績は、今後の日本の防衛政策や国際関係にも大きな影響を与え続けるでしょう。

もう一度検索