山崎正

山崎正氏：報道からプロレス、相撲まで彩ったアナウンサー人生

1944年1月1日生まれのアナウンサー、山崎正氏は、2023年6月25日、肺炎による呼吸不全のため79歳でこの世を去りました。日本大学経済学部卒業後、仙台放送、中京テレビを経て、1973年にテレビ朝日に入社。長年にわたり、同局の顔として視聴者へ情報を届けてきました。

テレビ朝日時代：ニュースからプロレス中継まで

テレビ朝日時代、山崎氏はニュース番組を中心に活躍しました。特に『ANNニュース』や『ANNニュースセブン』『ANNニュースファイナル』といった報道番組を担当し、正確で落ち着いた語り口は視聴者から高い信頼を得ていました。また、『大相撲ダイジェスト』の司会も長年務め、相撲解説者としても知られていました。

その多才ぶりは報道番組にとどまりません。人気を博した『ワールドプロレスリング』の中継にも携わり、その裏話として、タイガー・ジェット・シン氏にサーベルで襲われ、腕を負傷した逸話も残されています。この傷は生涯癒えることはありませんでした。

モスクワオリンピックの独占放送を巡るテレビ朝日の判断によりプロレス中継から離れ、オリンピックの実況を担当したこともありました。他にも、『ベスト30歌謡曲』、『全日本歌謡音楽祭』、『第5回日本歌謡大賞』などの音楽番組や、『全日本大学駅伝』の実況など、幅広いジャンルの番組を担当しました。

定年退職後も続くアナウンサー魂

2004年、60歳でテレビ朝日を定年退職後も、テレビ朝日アスクで講師として後進の育成に携わりました。後進の指導を通して、長年培ってきたアナウンス技術や経験を惜しみなく伝え、多くの若手アナウンサーを育てました。

また、2005年には『スーパーモーニング』や『ワイド!スクランブル』などにゲスト出演し、若貴兄弟の確執についてコメントするなど、社会問題にも積極的に関与しました。2006年には高校野球の実況も担当するなど、第一線から退いてもなお、アナウンサーとしての活動を継続していました。晩年は両国国技館で開催される大相撲本場所の館内放送「どすこいFM」で実況を務めるなど、相撲への情熱も持ち続けていました。

晩年と逝去

2019年に小脳出血を発症し、歩行困難に。その後は介護施設で療養生活を送っていました。2023年1月には新型コロナウイルスに感染し、後遺症により寝たきり状態となりました。そして6月25日、79歳で生涯を閉じました。

山崎正氏の功績

山崎正氏は、単なるアナウンサーとしてだけでなく、報道、スポーツ、音楽など様々な分野で活躍し、多くの視聴者に愛されました。その正確な情報伝達、落ち着いた語り口、そして幅広い知識は、多くの後輩アナウンサーたちの模範となりました。その功績は、長く人々の記憶に刻まれることでしょう。

関連人物

・笠井信輔氏（フジテレビアナウンサー。テレビ朝日アナウンサー試験の際、山崎氏が試験官だった）
・柴山光由氏（仙台放送時代の同期）
・熊田克隆氏（中京テレビ時代の同期）
・中村紀子氏（テレビ朝日時代の同期）
・木村守男氏（日本大学の先輩。山崎氏と同日に死去）

山崎正氏の明るさと誠実さ、そしてプロとしての高い意識は、多くの視聴者と関係者の心に深く刻まれています。ご冥福をお祈りいたします。

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