山崎片家

山崎片家について

山崎片家（やまざき かたいえ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、大名として近江山崎城、後に摂津国三田城の主を務めました。彼は宇多源氏の佐々木氏の支流に位置し、源頼朝によって近江国犬上郡山崎に地頭として任じられたことが始まりとされています。片家の人生は、戦国の激動の中で、忠義や裏切り、繁栄と没落が織り交ぜられたものでした。

生涯の概要

片家は当初、秀家という名で知られていますが、六角義賢から偏諱を受けて「山崎賢家」と名乗るようになりました。その名前は特異であることから、時に「堅家」と表記されることもありました。片家は六角義治に仕官しましたが、彼との関係は良好ではなく、永禄6年（1563年）の観音寺騒動において、彼が親しくしていた後藤賢豊親子を殺害されたことをきっかけに、六角家と対立することになります。

永禄11年（1568年）に織田信長が近江の六角領に侵攻すると、片家は早々に六角氏を見限り、信長に降ることを選択しました。この際に彼は改名し、片家と名乗るようになりました。信長に仕えることになった後、彼は戦闘に参加し、元亀元年（1570年）の姉川の戦いや、元亀4年（1573年）の上京焼き討ちおよび二条御所の戦いなど、多くの戦いで信長の側近として活躍しました。

明智光秀との関係

天正10年（1582年）、本能寺の変が発生した際、片家は安土の自邸を焼き払い、居城の山崎城に籠もりました。しかし、明智光秀の攻撃を受けて降伏し、明智方の将として活動することとなります。その後、明智が羽柴秀吉に討たれると、片家は再び秀吉に降伏し、犬山郡山崎城の所領を安堵されたのです。

その後、片家は摂津国三田城に移封され、さらに多くの戦いに参加しました。特に、天正15年（1587年）の九州征伐では、秀吉本陣の脇備として1,000人を率いて従軍し、博多の復興に貢献する奉行に任命されています。彼はまた、天正18年（1590年）の小田原征伐にも参加し、武蔵国岩槻城攻めにも関与しました。

最期と家族

片家は1591年3月28日に伏見の自邸で亡くなり、その享年は45歳でした。彼には嫡男の家盛が居り、家盛は三田藩の第2代藩主となりました。

性格と茶道

山崎片家には茶道に対する深い造詣がありました。信長が甲斐武田氏を攻め滅ぼして凱旋した際には、彼を自城に招いて茶屋を設けるという逸話も残っています。また、津田宗及が主催する茶会にも度々招待されていたことから、当時の文化にも積極的に関与していたことが伺えます。

加藤清正との密接な関係

片家と加藤清正との間にも密接な関係が存在しました。清正の家族の記録に基づくと、片家の娘が清正の妻であったとされています。片家の子は清正の養子となるなど、両家は互いに密接な結びつきを持っていました。

山崎片家の生涯は、日本の戦国時代における波乱の中での忠誠心と巧妙さを象徴していると言えるでしょう。彼の道は数多くの歴史的出来事に寄与し、茶道や文化的な洗練さを持つ一方で、戦国時代の厳しさをも体現していました。

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