山崎駅 (京都府)

山崎駅：歴史と自然が織りなす、東海道本線の駅

JR京都線（東海道本線）の山崎駅は、京都府乙訓郡大山崎町に位置する、歴史と自然豊かな駅です。駅番号はJR-A36。京都府と大阪府の府県境にまたがり、その独特の立地が特徴となっています。

駅舎と周辺環境

1927年竣工の木造平屋建ての駅舎は、古き良き時代の面影を残す、情緒あふれる建物です。駅周辺は、サントリー山崎蒸溜所を始めとした歴史ある施設や、数多くの観光スポットに恵まれています。

特に有名なのは、駅大阪方にある「サントリーカーブ」と呼ばれる美しい曲線です。かつては鉄道写真愛好家の間で人気の撮影スポットでしたが、現在ではフェンスが設置されています。

駅舎はホームよりも低い位置にあり、ホーム上には京都府と大阪府の府県境を示す標識が設置されています。そのため、大阪府島本町からの利用者も多く、地域住民の生活を支える重要な交通拠点となっています。

歴史を刻む駅

山崎駅の歴史は古く、1876年（明治9年）8月9日、官設鉄道向日町駅-高槻駅間の開通に伴い開業しました。当初は旅客・貨物の両方を扱っていましたが、1971年（昭和46年）10月1日に貨物取扱いは廃止されました。

その後も、時代に合わせて様々な改良が加えられてきました。1985年には日中時間帯の快速列車停車に対応するため、内側線のホームが12両編成停車可能に拡張。1997年には自動改札機が導入され、2003年にはICOCAが利用可能となりました。

2008年3月15日の島本駅開業までは、高槻駅までの駅間距離がJR京都線内最長を誇っていました。さらに、2018年にはみどりの窓口が営業を終了し、みどりの券売機プラスが稼働開始。2021年には各ホームと改札口を結ぶエレベーターが設置され、バリアフリー化も進んでいます。

駅構造と利用状況

山崎駅は島式ホーム2面4線（12両編成対応）の地上駅です。ホームの外側線は、新快速・特急列車用として閉鎖されています。駅構内は急なカーブになっており、通過電車は速度を落とすため、独特の雰囲気があります。

JR西日本交通サービスによる業務委託駅であり、ICOCAなどのICカードも利用可能です。

2023年度の1日平均乗車人員は約5,198人です。2008年の島本駅開業以降は減少傾向にありますが、周辺地域の観光や商業施設の活性化に伴い、今後さらなる変化が期待されます。

アクセスと観光

山崎駅は、阪急京都本線の大山崎駅からも徒歩圏内にあるため、両線の乗換も容易です。この近接性は、京都と大阪を結ぶ路線においては非常に珍しいものです。

駅周辺には、山崎合戦跡、水無瀬神宮、大山崎山荘美術館など、歴史と文化を感じられる観光スポットが多数あります。また、サントリー山崎蒸溜所も近く、観光客だけでなく、地元住民にも親しまれる場所です。バス路線も整備されており、周辺地域へのアクセスも良好です。

まとめ

山崎駅は、歴史と自然、そして現代の利便性が融合した、魅力的な駅です。古き良き時代を感じさせる駅舎、美しいサントリーカーブ、そして周辺の観光資源など、多くの魅力を兼ね備えています。京都と大阪を結ぶ交通の要所として、今後も地域社会に貢献していくことでしょう。

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