山本尚征

山本 尚征の生涯と業績

山本尚征は江戸時代後期の旗本として知られ、特に鷹匠や御用達の役職で名を馳せた人物です。彼の家族背景や、職務に就くまでの経緯を振り返ってみましょう。

家系と背景

山本尚征（やまもと なおゆき）は、山本尚盛の二男として生まれました。なお盛はその前に幕府の鷹匠として仕官し、祖父も同様の地位にありました。彼の兄は元禄6年（1693年）に別家を立て、山本家の伝統を受け継ぎました。さらに、弟の生野友房や、妻は池田政勝の娘と結婚し、彼にとっての家族は影響力のある人々でした。

職務の経歴

山本尚征は、彼の家督を受け継ぐ前にいくつかの役職を経験します。まず、元禄9年（1696年）には寄合番に就任します。宝永元年（1704年）には父の知行を引き継ぎ、実家の地位を守り続けました。

その後、宝永6年12月（1710年）に寄合番の地位を辞任し、小普請に転じますが、鷹狩の復活により享保元年（1716年）には御手鷹師として再び鷹匠の役割を担います。これにより、幕府の重要な役職に返り咲くこととなります。

御用達としての活躍

享保20年（1735年）には、和歌山藩主徳川宗直の娘であり、徳川吉宗の養女である利根姫の御用達に任命されました。利根姫は、仙台藩主の正室として重要な地位にあり、尚征はその特命により一層の名声を獲得します。元文6年（1741年）や寛保3年（1743年）に刊行された武鑑には、利根姫御用達として「山本又十郎」と記載されています。

生涯の終焉と家督の継承

延享元年（1744年）に山本尚征は亡くなりました。享年不詳ですが、法名は「歸山」とされます。尚征には男子がいなかったため、朝夷小平次の子である山元尚平を養子として迎え、彼に家督と知行を継承させました。これにより山本家は未来に向けて新しい展開を見せることとなります。

参考文献

1. 新訂寛政重修諸家譜 第3（続群書類従完成会、1964年）
2. 寛政重修諸家譜 巻第百三十七
3. 橋本博『大武鑑 中巻』（名著刊行会）

このように、山本尚征は江戸時代の中で重要な地位を占め、多くの役職を通して幕府に貢献しました。彼の業績や家庭背景は、時代の流れを知る上で重要な要素となるでしょう。

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