山本経勝

山本経勝の生涯

山本経勝（やまもと つねかつ）は、1904年11月23日に愛媛県北宇和郡日吉村（現在の鬼北町）に生まれました。彼は日吉村高等小学校を卒業後、労働運動と政治活動に身を投じました。

初期の活動

1928年、山本は全国農民組合南予地方協議会の青年部長に就任し、農民運動に携わることとなります。また、社会大衆党の愛媛県連青年部長としても活動しました。しかし、1932年に帝国主義に反対する闘争から、治安維持法違反により検挙され、1937年までの5年間を投獄されました。この経験は、彼のその後の活動に大きな影響を与えました。

出獄後の活動

出獄後、山本は宇和島新報の記者として働くものの、同年11月には福岡県の日本炭礦（略称：日炭）遠賀鉱業所に坑内夫として働くことになります。

戦後の労働組合運動

戦後、山本は労働組合の結成に加わり、1945年には日炭高松炭鉱労働組合の書記長に就任しました。1946年には日本共産党福岡地方委員となり、1949年には日炭高松炭鉱労働組合の委員長に就任します。その後、共産党から脱党し、1950年には日本炭鉱労働組合（炭労）の福岡地方本部事務局長に選ばれ、1952年には執行委員長に就任します。さらに、炭労九州地方本部の執行委員長や福岡地方労働委員会の委員としても活動しました。

政治家としてのキャリア

1955年、団伊能の衆院選立候補に伴い、山本は第2回参議院議員通常選挙・福岡県地方区補欠選挙に左派社会党公認で出馬し当選を果たします。1956年には第4回通常選挙で日本社会党公認で再選され、参議院議員として2期を務めました。

この間、山本は参議院社会労働委員として、鉱山の安全問題や職業病である珪肺症の対策に取り組むなど、労働者の権利と安全を守るために尽力しました。また、国土総合開発審議会の委員としても活動しました。

最期の時

1958年7月8日、山本は東京都千代田区の参議院清水谷議員宿舎で亡くなりました。彼の死去に際し、勲四等旭日小綬章が追贈され、従五位に叙されるという栄誉が与えられました。

山本経勝の生涯を通じて、彼が労働運動や政治活動に如何に貢献したかを知ることは、昭和期の日本における労働者の権利意識の向上や政治の発展に対する彼の影響を理解する上でも重要です。

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