鬼北町

鬼北町は、愛媛県の南予地方に位置し、北宇和郡に属する町です。四万十川の上流、広見川流域の中山間地帯に広がり、その豊かな自然が特徴です。町の中心部は旧広見町地域の近永地区で、JR予土線近永駅を中心に、商店街や役場、消防署などが集まっています。国道320号沿いにはロードサイド店が立ち並び、生活に必要な施設が整っています。

地理

鬼北町は、鬼北盆地とその周辺の山間部から成り立っています。町の総面積の約85％を森林が占めており、鬼が城山系や成川渓谷など、豊かな自然に恵まれています。町内には、高月山（1228m）、郭公岳（1010m）、泉が森（754.7m）などの山々がそびえ、広見川、三間川などの河川が流れています。

地名の由来

「鬼北」という地名は、町の南に位置する鬼ヶ城山が由来です。鬼ヶ城山から見て北に位置することから名付けられました。かつては広見町、日吉村、松野町、三間町を含む地域を「鬼北地域」と呼んでいましたが、平成の合併で松野町と三間町は加わらず、広見町と日吉村の合併により現在の鬼北町が誕生しました。合併協議の際には、ひらがな表記の「きほく町」も検討されましたが、最終的に「鬼北」が採用されました。この地名は、宇和島地域では広く知られていましたが、合併前は愛媛県全体では必ずしも名の通った地名ではありませんでした。

歴史

鬼北町の歴史は、明治時代に日吉村が成立したことに始まります。その後、昭和の大合併で近永町など5つの町村が合併して広見町が誕生しました。平成17年には、広見町と日吉村が合併し、現在の鬼北町が発足しました。旧広見町庁舎は、建築家アントニン・レーモンドの設計によるもので、国の登録有形文化財に指定されています。

行政

現在の町長は兵頭誠亀氏です。町役場は、旧広見町庁舎がそのまま使用されています。

産業

鬼北町の主な産業は、林業と農業です。林業は衰退傾向にありますが、農業では稲作が中心です。広見川では、アユ、ウナギ、モクズガニなどの漁獲も行われています。商業においては、国道320号沿いに郊外型店舗が進出し、住民の買い物の利便性が向上しました。一方で、地元商店街の地盤沈下も課題となっています。

地域

町内には、近永地区、好藤地区、愛治地区、三島地区、泉地区、日吉地区の6つの地域があり、それぞれに区長が置かれています。各区は、合併前の旧村の地域区分に沿っており、現在52区あります。

人口

人口については、最新のデータをご確認ください。

教育

町内には、愛媛県立北宇和高等学校、鬼北町立広見中学校、鬼北町立日吉中学校、複数の小学校があります。北宇和高等学校には日吉分校もあります。

医療

医療施設としては、鬼北町立北宇和病院と旭川荘南愛媛病院があります。

交通

鉄道は、JR予土線が通り、近永駅が中心となっています。バスは、宇和島自動車と鬼北町営バスが運行しています。道路は、国道197号、320号、381号、441号などの一般国道と、愛媛県道57号などの都道府県道が通っています。また、道の駅「日吉夢産地」と「広見森の三角ぼうし」があります。

名所・旧跡・観光スポット

鬼北町には、等妙寺旧境内（国史跡）、成川渓谷（四国八十八景46番）、節安ふれあいの森、轟の甌穴群など、多くの名所があります。また、武左衛門ふる里まつり、安森洞そうめん流しなどの祭りやイベントも開催されます。

名産物

鬼北町の特産品は、キジ（鬼北熟成雉）、シイタケ、ユズなどが有名です。

出身有名人

鬼北町出身の著名人としては、伊藤建太郎（HOW MERRY MARRYメンバー）、奥島孝康（早稲田大学前総長）、河添将志（HOW MERRY MARRYメンバー）、芝正（元プロ野球選手）、高田康太郎（漫画家）、兵頭精（日本初の女性パイロット）などがいます。

鬼北町は、その豊かな自然と歴史、文化、そして人々の温かさが魅力の町です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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