山村良豊

山村良豊の生涯と業績

山村良豊（やまむら たかとよ）は、尾張藩の重臣として知られる歴史的人物であり、木曽代官を務めた。彼は慶長11年（1606年）に父・山村良勝の次男として生まれ、快活で賢い性格から若いうちから注目を浴びた。

幼少期と初期の経歴

慶長19年（1614年）、9歳の時に大坂冬の陣の際、父とともに京都の二条城で徳川家康に拝謁する機会があった。そこで自ら「山村用済伜三九郎」と名乗り、知恵と機転に富んだ子供としての姿を見せた。これが彼の将来における政治的な動きに大きな影響を与えたのである。

元和元年（1615年）、木曽谷が尾張藩の領地となり、山村家は幕府の旗本から尾張藩の重臣として昇格した。寛永6年（1629年）には、父の隠居を受けて家督を継ぎ、木曽地域の発展に注力することとなる。

木曽馬の改良への取り組み

山村良豊は、地域の産業の振興に寄与するため、家臣を通じて南部駒の牝馬を30頭購入し、木曽馬の改良を図った。これにより、木曽地域の馬産業が活性化されたことは間違いない。

正保2年（1645年）4月17日、山村代官屋敷が焼失する事態が発生。これに対して尾張藩主の徳川義直から見舞いとして3万挺の榑木が贈られ、良豊の政治的な地位を象徴する出来事となった。このように、災難に見舞われても、彼は地域の繁栄のために尽力し続けた。

福島関所の管理と地域への貢献

正保3年（1646年）3月、徳川義直から福島関所の守衛に必要な騎馬同心と足軽の給付を受け、これによって地域の治安を守る体制を整えた。さらに、寛文2年（1662年）には、中津川代官所への代官派遣を行い、木曽福島と中津川の密接な連携を図った。これにより、年貢の収納が円滑に行われるようになり、地方政治を安定させた。

林制改革と山村家の地位

寛文4年（1664年）からの林制改革は、山村良豊が関与した重要な出来事で、尾張藩直轄の山林・川狩が進められた。この結果、山村家の影響力は地域に大きく及ぶこととなり、彼自身の地位も強固なものとなった。また、寛文7年（1667年）には、江戸の屋敷取得を果たし、生活基盤をさらに確立させた。

晩年と死去

良豊は、延宝8年（1680年）に75歳でこの世を去り、長男の良忠が家督を継承した。彼の生涯は、尾張藩および木曽地域における政治的な発展と農業・産業の振興に寄与したものとして、今も語り継がれている。彼の功績は、地域社会の歴史に輝く一ページであり、その影響は現在に至るまで感じられる。

参考文献

• - 堀田正敦 編「国立国会図書館デジタルコレクション 第627」『寛政重修諸家譜』
• - 三百藩家臣人名事典4
• - 木曽福島町史
• - 山口村史

もう一度検索