山県就相

山県 就相の生涯と業績

山県 就相（やまがた なりすけ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、毛利氏の家臣として知られています。彼は毛利水軍の一員として、数々の戦闘でその武勇を示しました。

出生と初期の経歴

就相は、安芸国佐東郡において、源頼政の子孫とされる安芸山県氏の一員として生まれました。彼の青年期は戦の多い時代であり、天文11年（1542年）に始まった大内義隆の出雲遠征に参加し、早くもその名を知られるようになりました。天文12年（1543年）、彼は月山富田城での戦いでの戦功によって、毛利元就と隆元から感状を受ける栄誉を得ました。

その後、毛利元就から「左衛門大夫」の官位を授与されたのは、天文16年（1547年）のことでした。そして天文21年（1552年）には、安芸国安芸郡の田畠40貫を知行地として与えられました。このように、就相は毛利家臣団の中でも重要な役割を果たすようになっていきます。

毛利水軍としての活躍

天文23年（1554年）には、就相は毛利水軍の一員として、陶晴賢の部隊に対して警固船による襲撃を行い、戦利品として兵糧を奪取する戦功を立てました。さらに天文24年（1555年）には、陶晴賢軍に備え、桜尾城に陣を張るよう命じられ、戦の準備に尽力しました。

弘治2年（1556年）には、尼子晴久が石見国へ侵攻した際にも元就から急報を受けて出陣し、邑智郡での合戦においても戦功を挙げました。このような活躍により、彼は毛利家の信任を深めていきました。

戦後の活動と寺院建立

永禄12年（1569年）には、毛利輝元の指示を受けて、輝元が高水に陣を進める際の計画や支援を行いました。また、元亀4年（1573年）には、毛利元就の菩提寺を建立するための奉行に任じられ、日頼寺の設立に尽力を尽くしました。この時の彼の努力は大いに評価され、吉川元春や小早川隆景からも感謝の念を示されました。

天正10年（1582年）、来島水軍が織田勢に寝返った際には、地方での騒動を収めるための対策を講じました。さらには、豊臣秀吉による大仏造営に際して、木材の手配に尽力するなど、毛利氏の信任を受けて陰ながら支える姿勢を示しました。

最後の年

就相は、文禄2年（1593年）7月13日に亡くなりました。彼の人生は、武士としての忠義や務めを全うし、家族や家臣団、地域社会に対する貢献を果たした証ともいえるものでした。維持した毛利水軍の活躍は、彼の名を歴史に刻むこととなりました。彼の生涯は、戦の時代にあっても懸命に務めを果たし続けた武将の一人として、多くの人々に記憶され続けています。

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