山高信離

山高信離（やまたか のぶあきら / のぶつら / しんり、1842年3月23日 - 1907年3月19日）は、幕末から明治時代にかけて活躍した武士（旗本）であり、官僚としても名を残しました。最終的な位階は正四位、勲等は勲二等です。

出自と経歴

幕臣である堀利堅の八男として江戸に生まれ、後に1800石取りの旗本、山高家の養子となりました。紫峰、紫山という号を持ち、石見守の官途に就いています。幕府では中奥番、小納戸、目付などを歴任し、慶応3年（1867年）にはパリ万国博覧会に参列する徳川昭武に随行しました。

維新後は、ウィーン万国博覧会をはじめとする各地の万国博覧会に派遣され、事務局などで活躍しました。晩年は帝国博物館長、京都・奈良帝国博物館長を歴任し、博物館行政に貢献しました。また、椿椿山に師事し、文人画を嗜むなど、文化人としての側面も持っていました。

家族

父は旗本2500石の堀利堅であり、異母兄には外国奉行、神奈川奉行、箱館奉行を歴任した堀利煕がいます。その子である堀利孟もまた、神奈川奉行や軍艦奉行を務めました。二男の林曄（1866年生）は林鶯渓の養子となり、その妻しげは益田克徳の二女で、益田孝の姪にあたります。林曄の長男・林暲は松沢病院の院長、次男・林是は彫刻家、二女アヤは石坂泰三の弟である石坂禄朗の妻となりました。長女の静（1870年生）は向山慎吉の妻となり、その長男に向山均がいます。息子には造船技師の山高五郎、孫には編集者・版画家の山高登がいます。

年譜

1880年：内務省少書記官兼大蔵省少書記官に任官
1882年：画家らの団体「水石社」の旗揚げに尽力、農商務省権少書記官に就任
1883年：農商務権大書記官に昇進
1884年：第2回内国絵画共進会の幹事を務める
1886年：上野博物館館長心得に就任
1888年：上野博物館長に昇進
1889年：青年絵画共進会会長に就任、帝国博物館理事、第3回内国勧業博覧会事務官を兼任
1890年-1891年：勧業義済会副会頭を務める
1891年：帝国博物館長に就任
1892年：美術展覧会審査長・理事長に就任
1893年：シカゴ万国博覧会に出席のため渡米
1894年-1895年：帝国奈良博物館長を務める
1895年-1900年：帝国奈良博物館長を務める
1900年-1902年：奈良帝室博物館長を務める

大河ドラマでの登場

2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』では、山本浩司が山高信離を演じました。

参考文献

恵美千鶴子「明治宮殿常御殿襖画の考案――正倉院鴨毛屏風模造・平家納経模本の引用と山高信離」東京国立博物館研究誌(617)、2008年12月、pp.37-86。

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