堀利煕

堀利煕（ほり としひろ）

堀利煕は、文政元年（1818年）に生まれ、万延元年（1860年）に自刃した幕末の旗本、幕臣です。通称は織部、織部正、省之助。号は有梅、梅花山人。初名は利忠。

経歴

嘉永7年（1854年）、日露和親条約調印前に国境設定の調査として樺太・蝦夷地の巡回を行い、そのまま箱館奉行に就任しました。箱館奉行在任中にも蝦夷地の巡回を行っています。この巡回には、武田斐三郎、玉虫左太夫、榎本武揚、郷純造、島義勇らが同行しました。

安政5年（1858年）には、新設された外国奉行に就任し、神奈川奉行も兼任して諸外国大使との交渉に尽力しました。横浜港開港に尽力し、通商条約では日本全権の一人として署名しています。

万延元年（1860年）、プロイセンの外交官フリードリヒ・アルブレヒト・ツー・オイレンブルクとの条約交渉を行っていた際、堀利煕がプロイセンと裏交渉をしているという風聞が立ちました。加えて、プロイセンだけでなくドイツ連邦（当時はドイツ統一前）とも秘密交渉を行っていたという噂も流れ、幕府から追及を受けることとなります。

しかし、利煕は弁明を一切行わず、プロイセンとの条約締結直前に切腹しました。享年43。プロイセン側には病死と伝えられましたが、自決の噂は広まりました。条約締結直前になってオイレンブルクがプロイセンのみならず、他の多数の近隣諸国（関税同盟、ハンザ同盟都市）のために交渉していたことが判明しました。この事実を事前に把握していなかったことが堀の失態となり、責任を感じての自決と解釈されました。

死後、村垣範正がオイレンブルクとの交渉を引き継ぎ、日普修好通商条約を締結しました。

家族

父は大[[目付]]の堀利堅、母は林述斎の娘です。母方のおじに鳥居耀蔵、林復斎、従兄弟に岩瀬忠震、異母弟にパリ万国博覧会使節団の徳川昭武伝役で初代帝室博物館長の山高信離（石見守）がいます。子に堀利孟がいます。

年譜

嘉永5年（1852年）2月10日 - 小姓組徒頭
嘉永6年（1853年）5月14日 - 目付
嘉永7年（1854年）
2月8日 - 松前表御用。北蝦夷を視察。従者として蝦夷地に同行したのが榎本釜次郎（のちの榎本武揚）。
7月21日 - 箱館奉行
安政5年（1858年）
5月8日 - 外国奉行
8月3日 - 仏蘭西国之使節与及引会候儀全権
安政6年（1859年）6月4日 - 神奈川奉行兼任
万延元年（1860年）
9月15日 - 神奈川奉行免職
11月6日 - 自刃

脚注

関連項目

箱館丸
大橋訥庵
日独関係

外部リンク

普魯士条約並に堀織部正の自殺『幕末外交談』[[田辺太一]](https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/772905/69)

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