堀利堅

堀利堅（ほり としかた）

堀利堅は、江戸時代後期の幕臣として活躍した人物です。通称は廉吉、小四郎と称し、官位は伊賀守、伊豆守に至りました。父は堀利哲、母は溝口直福の娘であり、妻は林述斎の娘という家系に生まれています。また、堀利煕は四男、堀利孟は孫にあたります。義理の兄弟には、鳥居耀蔵や林復斎らがいます。出自は、堀秀政の弟である堀利重の子孫です。

経歴

文政4年（1821年）1月11日、西丸書院番から使番に転任し、幕臣としてのキャリアをスタートさせました。その後、文政10年（1827年）6月8日に大坂目付代、文政12年（1829年）4月28日に西丸目付、天保2年（1831年）8月17日に本丸目付と、順調に昇進を重ねました。天保6年（1835年）9月20日には仙洞付となり、伊賀守を称するようになります。

天保7年（1836年）11月8日には大坂西町奉行に任命されますが、翌天保8年（1837年）には大塩平八郎の乱が勃発。利堅は東町奉行の跡部良弼とともに鎮圧に当たりましたが、その際、乗馬が銃声に驚いて落馬するという不名誉な逸話も残されています。

その後、天保12年（1841年）6月20日に普請奉行、10月15日に作事奉行を歴任。弘化2年（1845年）5月4日には、火事で焼失した江戸城本丸御殿の普請に携わった功績により300石を加増され、2800石を領する身となりました。同年5月9日には大目付に就任し、安政3年（1856年）6月29日からは道中奉行を兼帯するなど、幕府の要職を担いました。安政5年（1858年）2月30日に留守居に転じます。

万延元年（1860年）には、子の利煕が切腹するという悲劇に見舞われました。文久2年（1862年）7月4日、隠居し、家督を孫の利孟に譲りました。

元治元年（1864年）11月16日に死去。墓所は現在の東京都文京区にある源覚寺にあります。

参考文献

日本歴史学会編『明治維新人名辞典』（吉川弘文館、1981年 ISBN 978-4642031141）
『幕末維新大人名事典』下巻（新人物往来社、2010年）
* 『徳川幕臣人名辞典』（東京堂出版、2010年）

もう一度検索