岐阜車体工業

岐阜車体工業株式会社について

岐阜車体工業株式会社は、1940年に設立され、現在まで岐阜県内唯一のトラックメーカーとして知られています。この会社は、トヨタ車体グループに属し、自動車組み立ての分野で重要な役割を果たしています。

設立の背景と成り立ち

岐阜車体工業は、十六銀行柳ケ瀬支店の川合利之支店長の紹介で出会った星野鍵太郎、川島信雄、野尻藤吉の3人によって創設されました。彼らは元々、トラックの製造や修理を手掛けており、1936年に施行された自動車製造事業法によって、政府の許可が必要となる自動車製造業を営むため、事業の統合を決めたことが設立のきっかけです。

資本金は15万円で、最初の本社は岐阜市長森岩戸に置かれました。当初の従業員は23名でしたが、1941年にはトラック車体を一貫して製造する体制を整えるため、岐阜市祈年町に本社工場を建設しました。

事業の拡大と変遷

1943年には岐阜合同車体を吸収合併し、岐阜県内唯一の車体メーカーとしての地位を確立します。戦後はトラックの需要が再び高まり、各都道府県の自動車配給会社からのオーダーに応じて、本業を徐々に再開。しかし、その後の経営は一時的に困難を迎えました。特にトヨタ自動車工業との取引を始めた際には、生産技術の未熟さから不良品が増加し、経営危機に直面しました。

しかし、朝鮮戦争の特需により状況は好転し、トヨタ自動車工業との直接取引が始まると、会社は業績を回復に導きました。特に1959年には「ランドクルーザー」用のトレーラー製造が始まり、直接取引が加速しました。

生産体制の強化

1960年に岐南町に新工場を設立し、1967年には各務原市にプレス工場とボディー工場が完成。その後も工場の新設や改良を重ね、1971年にはハイエースの生産を開始し、次第に生産能力を拡大しました。

経営方針とトヨタ生産方式の導入

1977年のダイナの新型生産切替に失敗したことで、トヨタ自動車からの生産改善支援を受け、トヨタ生産方式の導入を進めることとなります。このノウハウの吸収はその後の生産効率の向上に大きく寄与しました。

特に、トヨタ自動車のグループ内での戦略変更に伴い、2001年に新たに社長に就任した栗田鬨雄は、経営に新風を吹き込み、トヨタグループとの密接な関係を築き上げました。

近年の動向

2007年にはトヨタ車体の完全子会社となり、事業の専念へとシフトしました。現在では高規格救急車であるハイメディックや、コースター等の生産を行っており、企業としての基盤をしっかりと構えているのです。

結論

岐阜車体工業は、長い歴史の中で様々な課題を乗り越えつつ、トヨタ車体の重要なパートナーとして、また岐阜県内唯一のトラックメーカーとして存在し続けています。今後もその技術力や生産体制を活かし、高品質な製品の提供を続けていくことでしょう。

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