岡崎義実

岡崎 義実（おかざき よしざね）

岡崎義実は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将であり、三浦氏の庶家である岡崎氏の祖とされています。彼は三浦義明の弟で、また、三浦義継の末子としても知られています。相模国の大住郡岡崎地域を治め、岡崎氏としての名を残しました。

人物概要

三浦氏は古来から源氏の家人として名を馳せており、義実もその伝統を受け継いでいます。特に彼は、忠義心が厚い人物であり、平治の乱の際に源義朝が敗死した後、義朝の冥福を願うために菩提を弔う祠を設立しました。その後、頼朝の挙兵に参加し、石橋山の戦いでは嫡男の義忠を失いながらも、従軍し続けました。義実は、その長い人生を81年間生き、晩年には窮迫した状況を経験するも、長寿を全うしました。

生涯

頼朝の挙兵

治承4年（1180年）8月9日、源義朝の遺児である頼朝が伊豆国で挙兵することを決意すると、義実は嫡男の義忠と共にすぐにこれに参加しました。義実は頼朝から特別に信頼され、その密談に感動し、勇敢に戦うことを誓いました。8月17日には頼朝が伊豆目代・山木兼隆の館を襲撃し、戦いは始まりましたが、8月23日の石橋山の戦いでは平家方に大敗を喫し、義忠は討ち死にしてしまいました。『平家物語』や『源平盛衰記』にその勇敢な奮戦が描かれ、義忠の名は後世に伝えられました。

鎌倉の御家人として

その後、義実は頼朝の軍勢に加わり、富士川の戦いに参加しました。戦いは戦わずして平家側が敗走し、戦後の夜には頼朝と九郎義経の兄弟の感動的な対面があり、義実もこれを目撃しました。この頃、義実は頼朝との関係を深め、酒宴の席で頼朝の水干を着用した際、上総広常との間で喧嘩が起こる一幕もありました。

晩年

建久4年（1193年）に高齢のため出家し、以後は「義実入道」として知られるようになります。後に頼朝が死去すると、義実もその運命に翻弄され、苦しい老後を過ごしますが、周囲からの支援を受け、最後の時を迎えました。

結局、義実は建久8年に89歳で亡くなり、彼の法名が付けられた證菩提寺が後に建立され、子どもである義忠の供養のために使用されます。義実の人生は武士としての忠義と家族愛を表するものであり、鎌倉時代の歴史に名を刻む存在でした。

参考文献

• - 栄の歴史編集委員会『栄の歴史』
• - 栄区地域振興課『栄区郷土史ハンドブック（第5刷）』

関連作品

• - テレビドラマ『草燃える』（1979年、NHK大河ドラマ）
• - テレビドラマ『鎌倉殿の13人』（2022年、NHK大河ドラマ）

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