岡本明久

岡本明久（おかもと あきひさ）

岡本明久は、1937年8月7日に山口県大島郡周防大島町で生まれた日本の映画監督である。彼は日本の映画界において、多くの作品を監督することで知られており、特にアクション映画においてその才能を発揮してきた。彼の経歴は、実家の経済的背景から始まり、高等教育を受けた後、映画業界へと進む流れを持つ。彼は海上運送業を営む家庭に育ち、少年期からは映画への熱い情熱を抱いていた。

経歴

岡本は、山口県立久賀高等学校を卒業後、中央大学法学部法律学科を1961年に卒業。その後、東映東京撮影所に助監督として入社した。彼は東映時代劇映画が好きであり、数々の名作からインスピレーションを受けた。入社後は、関川秀雄監督の作品を皮切りに、24人の監督のもとで70本以上の映画に助監督として参加した。特に佐藤純彌監督の作品に多く関与しており、1975年の『新幹線大爆破』や1981年の『甦れ魔女』ではB班チームを務めた。

1976年には『横浜暗黒街 マシンガンの竜』で監督デビューを果たし、その斬新なアクションシーンで観客を惹きつけた。続いて、『暴力教室』では松田優作を起用し、さらに『男組 少年刑務所』を通じて舘ひろしの知名度向上にも寄与した。しかし、1970年代後半になると、大作映画やアニメーションが多く制作され、製作現場での機会は減少した。これに伴い、監督の機会も失われることが多くなった。

岡本は、東映東京の組合活動にも積極的に参加し、映画の演出はしばらく途切れたものの、教育映画やテレビ番組に関わった。教育映画『室町時代の社会と文化』（1980年）や母校・中央大学100年記念映画『母校よ永遠なれ・中央大学百年の歴史』（1985年）など、さまざまな形で映像制作に携わった。1986年に東映東京の労組役員として専従の任務を終えた後、1997年に東映を定年で退職し、フリーの監督として再出発を果たすこととなった。

その後、リテイクを重視する姿勢で知られる彼は、1996年に制作した『人間の翼 最後のキャッチボール』が劇場公開後も非常に評判を呼び、全国350ヶ所以上で自主上映が続くなど、作品の質が広く評価された。

主な監督作品

映画

• - 横浜暗黒街 マシンガンの竜（1976年、東映東京）
• - 暴力教室（1976年、東映東京） ※兼脚本
• - 男組 少年刑務所（1976年、東映東京）
• - 女バトルコップ（1990年、東映ビデオ）
• - 人間の翼 最後のキャッチボール（1996年、映画「人間の翼」をつくる会） ※兼脚本
• - 徐福さん（2003年、「徐福さん」制作委員会） ※兼脚本
• - 衝撃！売春都市（1974年、東映東京、※原作のみ）

テレビ

• - 特命刑事（日本テレビ、第8話、1980年）
• - ドラマ・人間（テレビ朝日、第7話、1981年）
• - 松本清張事件にせまる 「野望の設計図」（テレビ朝日、1984年5月17日）
• - 東映不思議コメディーシリーズ（フジテレビ）
• - ロボット8ちゃん（第10、11話他、1981年）
• - バッテンロボ丸（フジテレビ、第22、23話他、1983年）
• - どきんちょ!ネムリン（第3、4話、1984年）
• - もりもりぼっくん（第33、34話、1986年）
• - メタルヒーローシリーズ（テレビ朝日）
• - 世界忍者戦ジライヤ（第9、10話他、1988年）
• - 機動刑事ジバン（第3、4話他、1989年）

まとめ

岡本明久は、日本映画の中で独自の存在感を放ってきた監督であり、彼の献身的な姿勢と情熱は今も多くの映画関係者やファンに影響を与え続けている。

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