女バトルコップ

『女バトルコップ』（英字表記：LADY BATTLE COP）は、1990年に東映ビデオから発売されたオリジナルビデオ作品です。SF、アクション、バイオレンス要素を組み合わせた実写特撮作品として、カルト的な人気を誇ります。監督は岡本明久が務め、主演は中村あずさが演じました。上映時間は81分です。

概要

本作は、東映ビデオが展開していたアクション・バイオレンス路線のオリジナルビデオシリーズ「東映Vシネマ」の一作として制作されました。1988年に公開されたアメリカ映画『ロボコップ』に影響を受け、近未来の日本を舞台にしたSFアクション作品として製作されています。

物語の舞台は、撮影当時から見て近未来の日本の首都「ネオTOKYO」。国際犯罪組織「カルテル」によって恋人と共に襲撃され、瀕死の重傷を負った女性が、サイボーグ警官「バトルコップ」として蘇り、「カルテル」に復讐を挑むというストーリーです。

当時、テレビ朝日のメタルヒーローシリーズ枠で放送されていた『機動刑事ジバン』と同様に、サイボーグの主人公が悪を倒すというテーマで制作されており、同作品のスタッフも多く参加しています。ラストシーンでは「彼女の戦いは始まったばかり」というテロップが表示されますが、残念ながら続編は制作されていません。

2013年にはニコニコ生放送で配信され、その後ニコニコチャンネルでも有料配信が開始。2014年には東映チャンネルとファミリー劇場でテレビ放映され、DVDも発売されました。2021年には、漫画『邦画プレゼン女子高生邦キチ! 映子さん』でも取り上げられ、再び注目を集めています。

あらすじ

世界的に有名なテニスプレイヤー、御子柴かおるは、対犯罪用サイボーグの研究者である小泉直也と婚約しており、結婚式を間近に控えていました。しかし、直也の研究を危険視した国際犯罪組織カルテルは、配下のチームファントムを使って研究所を襲撃します。その結果、直也とかおるは瀕死の重傷を負い、研究所も壊滅してしまいます。

瀕死のかおるは、自らをドナーとしてサイボーグへの改造手術を直也に懇願し、手術は成功するものの、直也は帰らぬ人となってしまいます。こうして、黒と銀のメタルスーツを身にまとったバトルコップとして蘇ったかおるは、直也を奪ったカルテルへの復讐を誓い、戦いに身を投じます。

スタッフ

製作：東映ビデオ、東北新社、セガ・エンタープライゼス
監督：岡本明久
企画：吉川進、吉田達
プロデューサー：堀長文
脚本：宮下隼一
音楽：川村栄二
撮影：堀美臣
照明：磯山忠雄
美術：安井丸男
録音：林鑛一
整音：太田克己
編集：阿部嘉之
選曲：金成謙二
効果：原田千昭
助監督：前嶋守男
記録：高津省子
操演：國米修市
アクション監督：金田治（JAC）
特撮監督：矢島信男（特撮研究所）
操演：鈴木昶、尾上克郎
撮影：高橋政千
美術：佛田洋
ビジュアル・スーパー・バイザー、キャラクター・デザイン：雨宮慶太
女バトルコップの背面デザインほか：篠原保（クレジット無し）
特殊メイク：アートメイク・トキ、浦野克人
キャラクター造型：前澤範
合成：映画工房、マリンポスト
カースタント：タケシレーシング
現像：東映化学
プロデューサー補：葛西おと
協力：戸井田工業、NEW MGC、スズキ、ヨネックス
製作協力：東映東京撮影所

キャスト

御子柴かおる：中村あずさ
西条正：山下規介
小泉直也：北詰友樹
アマデウス：松田優
城戸巌：西沢利明
ヘンリー・大場：佐野史郎
石橋雅史
真理アンヌ
デリック・ホームズ
井上清和
左右田一平
石川武
キラー・カーン
小沢一義
植田芳暁
吉川理恵子
吉田淳
町田政則
羽田圭子
五野上力
的場耕二
今井靖彦
坂本隆
高岩成二

バトルコップ

バトルコップは、チームファントムによって瀕死の重傷を負ったかおるが、同じく瀕死となった直也に願い出て改造手術を受け、サイボーグ化した姿です。『ロボコップ』と同様の経緯で誕生し、黒と銀のメタルスーツを身にまとっています。女性らしい丸みを帯びたデザインが特徴で、口元は状況に応じて開閉可能です。

メタルスーツのデザインは、雨宮慶太が正面画を担当し、背面画やその他のキャラクターデザインは篠原保が手掛けました。スーツアクターは関誉枝恵が務めています。

音楽

オープニングテーマ「NO NO GIVE-UP」
作詞 - 松本一起 / 作曲 - 鈴木キサブロー / 編曲 - 川村栄二 / 唄 - ポプラ
エンディングテーマ「believe my life〜わたしは私」
作詞 - 松本一起 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 有澤孝紀 / 唄 - ポプラ

これらの楽曲は、コロムビアレコードから発売されました。オリジナルサウンドトラックCDも発売されており、2015年には廉価版もリリースされています。

映像商品

ビデオソフト

1990年 11月9日にVHSビデオソフトが発売されました。

レーザーディスク

1992年 10月25日にレーザーディスク版が発売されました。

DVDソフト

2014年 10月10日にDVDソフトが発売されました。これは、「東映Vシネマ」25周年記念としてリリースされたものです。

脚注

参考文献

「女バトルコップ 25TH ANNIVERSARY REVIEW （構成：サマンサ五郎、文：ガイガン山崎）」『東映ヒーローMAX』VOLUME 52（2015 AUTUMN）、辰巳出版、2015年9月1日、pp.55-57、ISBN 978-47778-1553-1。

外部リンク

女バトルコップ - 東映ビデオ

もう一度検索