岩村高俊

岩村高俊の生涯

岩村高俊（いわむら たかとし、1845年12月8日 - 1906年1月4日）は、日本の江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した武士、官僚、そして華族である。彼の初名は精一郎であり、土佐藩士であった岩村英俊の三男として生まれた。兄には岩村通俊、林有造がいる。位階としては従二位、勲二等、男爵であり、美術評論家・美術史家の岩村透は彼の長男にあたる。

幼少期と教育

岩村高俊は、土佐の幡多郡で育ち、藩校の文武館に通い、蘭学や砲術を学ぶ。慶応3年には、兄と共に鉄砲を購入するために長崎に行き、その際には監察・佐佐木高行の関与を得ることができた。11月には上京し、陸援隊に加入することになる。

新撰組との対立

坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された直後、彼は紀伊藩の三浦休太郎を襲撃し、新撰組と交戦する「天満屋事件」に関与する。この事件は、藩内外の緊張を高める要因となった。

戊辰戦争とその後の活躍

戊辰戦争においては新政府軍の一員として戦い、東山道先鋒総督府の監察や応接係を務め、北越戦争にも出征する。長岡藩の家老河井継之助との会談では、河井の提案に耳を貸さず、結果的に長岡藩を新政府軍の敵に回させた。

明治維新以後は、宇都宮県と神奈川県の権参事を経て、佐賀県権令に就任。江藤新平が主導した佐賀の乱を鎮圧した後、内務省に転職する。その後も、愛媛県などで権令を務め、地租改正や民会施策を進めた。彼は明治25年には貴族院議員となり、1896年には男爵に叙された。

評価と人間関係

彼の政治家としての評価は分かれている。特に北越戦争時、山縣有朋との対立が問題視されることもあった。自身の独自の判断に固執し、多くの意見を無視することが、戦局に悪影響を及ぼしたとされる。佐賀県での任期中、ドナルド・キーンは彼の非能能力を批判し、反乱の原因となったと述べている。また愛媛県での活躍により、県民からの名声を得ることもあった。

晩年と家族

晩年は京都市に居住し、長男の岩村透が男爵位を継承した。家族関係も注目され、数多くの子どもを持ち、その子孫も当時の日本の各分野で活躍する者が多かった。

終わりに

岩村高俊の生涯は、明治期の日本における政治的変動の中で多くの試練と成功を経て形成された。この時代の日本社会や政治史を理解する上で欠かせない人物の一人である。

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