林有造

林 有造（はやし ゆうぞう）

林有造は、1842年9月21日、土佐国宿毛で生まれました。本名は包直、幼名は助次と呼ばれました。彼の家族は、土佐藩の家臣である岩村家に属し、兄に岩村通俊、弟に岩村高俊がいます。幼少期には、林茂次平家の養子となったことが知られています。

幼少期と戊辰戦争

林有造は、戊辰戦争の際には、板垣退助の配下として越後国に従軍しました。この戦争を経て、明治維新後の1868年に高知県の初代県令（知事）に就任しました。しかし、板垣が政界を去る際に辞職しました。

政治家としての活動

林はその後、明治10年に発生した西南戦争に触発され、土佐で政府を overturn する計画を立て挙兵しましたが、失敗して逮捕され、入獄しました。出所後は板垣退助と協力し、自由党の結成に尽力しました。

彼は自由党土佐派のリーダーとして自由民権運動に積極的に参加し、1890年には第1回衆議院議員総選挙に立候補し、議席を獲得しました。その後も8回連続で当選し、政治界での地位を確立しました。1898年には第1次大隈内閣の逓信大臣として入閣し、その後も農商務大臣を務めました。

晩年と郷里への貢献

政界から引退後、大正3年には伊賀氏広の支援を受けて予土水産株式会社を設立し、真珠養殖事業や地元の開発に貢献しました。郷里の宿毛の振興のために尽力し、開発事業には林新田や片島港の整備が含まれます。

受賞歴と親族

彼はその功績により、1898年に正三位、1921年に従二位を受賞しました。家族は政治史にも関連が深く、次男は副総理や衆議院議長を務めた林譲治、また甥にはA級戦犯として逮捕された司法大臣・岩村通世がいます。孫には、第2次中曽根内閣の労働大臣を務めた林迶と宿毛市長をつとめた林遉がいます。

林有造の影響

彼の生涯を通じての政治活動や地方振興に対する貢献は、今なお地域に影響を与えており、宿毛のシンボルとして「宿毛まちのえき林邸」が保存されているのもその一例です。

彼は1921年、80歳で亡くなり、高知県宿毛市に眠っています。彼の遺産や業績は、今日でも多くの人々に記憶され、尊重され続けています。

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