島村一郎

島村 一郎について

島村一郎（しまむら いちろう）は1894年9月7日に東京府南葛飾郡の小松川町、現在の東京都江戸川区平井に生まれました。1977年2月1日にこの世を去るまで、長きにわたり日本の政治舞台で活躍しました。衆議院議員としての彼のキャリアは、波乱に富んだ時代の中での経験を活かしたものでした。彼は正三位勲一等の称号を持つ政治家として知られています。

彼の政治キャリアは、多様な役職を経た後に始まりました。中央大学に在籍していたものの、その後中退し、小松川町会議員や小松川町長、さらには東京府議会議員や江戸川区会議長としての経験を積みました。また、東京市議、東京都議などを歴任する中で、政策決定に深く関与していきました。昭和21年（1946年）には、東京1区（後の東京6区、10区）から衆議院議員に立候補し、次点となるも、鳩山一郎の公職追放に伴う繰上当選により、正式に衆議院議員に就任しました。

その後、彼は連続で12回の当選を果たし、国会内での重鎮議員となります。特に1955年には、第2次鳩山内閣の通商産業政務次官としても活躍しました。彼はまた、衆議院の大蔵委員会、商工委員会、懲罰委員会の委員長を経て、東京オリンピック大会準備促進特別委員会でもその手腕を発揮しました。さらに、自由党や日本民主党の政調会副会長、自民党総務、東京湾開発特別委員長など、数々の重要な役割を担いました。また、彼は列国議会同盟会議にも議員団代表として4回出席するなど、国際的な場でも存在感を示しました。

島村一郎のエピソードとしては、彼が政治活動を終える際に「政治は世襲ではない」という考え方を示し、息子の宜伸の出馬に当初は反対したということがあります。しかし、最終的には後援会関係者の説得を受けて宜伸の立候補を許可しました。彼は自身の下で働く秘書たちを多くの政治家へと育て上げ、その中には大西英男、鈴木一光、逢澤義朗などが名を連ねています。

また、彼は温厚で人柄が良く地味な印象を持ち合わせていましたが、地元の重要な問題、特に「ゴミ問題」、「航空機騒音問題」、「成田新幹線問題」においては、国や東京都との折衝で時に困難な局面に直面したことがあったと伝えられています。

選挙における資金集めは大変な苦労があったようで、彼は資金難の中で陣笠議員に甘んじざるを得なかったため、一度も内閣入りを果たすことはありませんでした。自民党執行部の役員に選ばれることもありませんでしたが、国会ではその存在感や影響力は認められていました。

参考文献

• - 『政治家人名事典』編集・発行 - 日外アソシエーツ、1990年
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年

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